2013 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害児の将来の「働く生活」を実現するための体力・運動能力育成に関する研究
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25911005
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
川本 孝 愛媛大学, 教育学部, 教諭
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 体力・運動能力 / キャリア教育 / 指導プログラム |
Research Abstract |
本研究は、知的障害のある子どもが将来の「働く生活」を実現するために必要な体力・運動能力の育成に向けて、小・中・高等部の体育. 保健体育科の授業において実践を行い、その結果をまとめたものである。具体的な実践については以下のとおりである。 ①身体協応能力テスト(BCT)を用いて子どもの実態を把握し、指導プログラムを基にして、体育・保健体育科の「朝の運動」で前期(5月~7月)の研究実践を行った。 ②指導内容の見直しと指導プログラムの改善を図るために、日本体育学会に参加してポスター発表を行い、外部評価を受けた。さらに、県内の特別支援学校・特別支援学級の先生方を対象に、東海大学から体育専門の講師を招いての研修会を開催した。 ③外部評価と大学教員の指導を受けて指導プログラムを修正し、「朝の運動」で後期(9月~12月)の研究実践及び取りまとめを行い、1月末の愛媛教育研究大会で研究実践の成果をポスター発表した。また、研究内容及び改訂版の指導プログラムを製本し、参加者に配布した。 以上の研究実践を通して、次のような成果が明らかになった。 ○指導プログラムを使った「朝の運動」における実践は、子ども一人一人の発達課題に対して明確な目標をもって支援する上で有効であった。 ○外部評価や大学教員からの指導を受けて作成した指導プログラムは、体育の授業計画作成、目標設定に十分活用できたことから、指導カリキュラム作成において重要な資料になった。 ○講師を招いて研修会を開催したり、研究大会で成果を発表したりしたことで、県内外の教職員に対して、知的障害児が将来の働く生活を実現するための体力・運動能力育成の重要性について情報提供することができた。 本研究の基盤である「指導プログラム」は、実際に一般企業で働いている知的障害者の動きを基にして作成したものである。今後はさらに実践を継続し、子どもが就労を実現・継続するまでのデータを累積することにより、本プログラムの有効性と意義が明らかになると考える。
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Research Products
(2 results)