2013 Fiscal Year Annual Research Report
タブレットPCとシート型電子黒板を関連づけた、数学的活動を促す教材と指導法の研究
Project/Area Number |
25913003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 和孝 東京大学, 教育学部附属中等教育学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | タブレットPC / 図形描画ソフト / Windows7 |
Research Abstract |
本研究者は、以前からシート型電子黒板を利用して、図形描画ソフト「シンデレラ」やグラフ表示ソフト「Grapes」を使用した教材提示授業を行なってきた。本研究では、この手法を発展させ、タブレット型PCを生徒に利用させて、より効果的な授業の手法を検討することを目的とした。 まず、これらの使用が有効な単元・題材、そのためのソフトウェアの検討を行なったが、タブレットPCとして広く出回っているiPadやAndroid系では充分なアプリケーションがないことが分かった。そこで、シート型電子黒板で使用しているWindows系ソフトを利用するためのタブレットPCの購入を目指したが、これらは上記2種に比べてやや高価で、結果的に6台のWindows7系旧型タブレットPCを6台購入した。このことから、本研究者のような目的で使用するためには、現時点のタブレットPCはやや過渡的的製品と考えられるということを感じた。 一方、使用するソフトとしては、上記の「シンデレラ」「Grapes」の使用を目指した。ただし、今年度は担当する授業の関係で図形教材を扱う場面がなく、関数教材にも時間が取れない状況だったため、実際の授業での使用はできなかった。そのため、放課後を利用して、希望する生徒を対象として、実験的に数回の使用を試みるにとどまった。結果的に、最大で10名程度の生徒を対象に5回ほどシンデレラの使用を体験させた。 このわずかな使用の中では、まず生徒がタブレットPCに慣れるという活動が必要であった。特に、通常のPCに比べてポインティングが難しいことが危惧していたが、生徒が慣れているマウスの使用に比べると難点があることは予想通りだった。ただし、生徒によっては2~3回の使用で克服する者もおり、個人差が大きい部分だと思われた。使用の感触は概ね好評であったが、放課後の試験的使用であることを考えると、現実の授業で同様の反応があるかは検討の余地がある。 一定の効果は感じられたものの、現実の教具化に関しては、機材とアプリケーションの更なる検討が必要だと思われた。
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