2013 Fiscal Year Annual Research Report
阿蘇のリモナイトと実験廃液中の銅を触媒として活用した水浄化システムの教材化の研究
Project/Area Number |
25915007
|
Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
樫山 由貴 熊本高等専門学校, 技術・教育支援センター, 技術職員
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 触媒 / 環境浄化 / リモナイト |
Research Abstract |
熊本県阿蘇の赤水地区で産出するリモナイトの主成分である鉄酸化物と, 学生実験で発生する銅イオン含有廃液中の銅をそれぞれ触媒活性点として粒状多孔質表面に分散担持させた水浄化触媒調製法の研究を行った. さらに, 調製した触媒を核技術として組み込んだ汚濁水浄化システムの構築及び環境教育分野での教材化を行う目標で取り組んだ. リモナイト担持触媒の調製は, 多孔質材料(ゼオライト, 活性炭, 発泡ガラス等)にリモナイトを析出担持させ, 乾燥後所定の温度で焼成する方法で調製した. 調製した触媒について残留塩素分解除去, リンの除去等の水質浄化性能の評価を行った。試験結果から, 触媒性能は触媒調製における多孔質材料をリモナイトに浸漬させる時間によって影響され, 一日よりも一週間浸漬させた方がより性能が上がることがわかった. 銅担持触媒に関しては, 多孔質材料(ゼオライト, 陽イオン交換樹脂, 酸化アルミニウム等)を用いて廃液中の銅をイオン交換反応により回収することで, 銅イオン濃度を水質汚濁防止法により定められた基準値以下に抑えることができた. このことにより, 業者に廃液処理を委託せずとも容易に銅を回収できる処理法を開発することができた. さらに, 銅担持多孔質材料を乾燥焼成して調製した触媒を用いてアンモニアの分解除去性能の評価を行った結果, 濃度約800~1000ppmのアンモニアをほぼ100%分解除去することができた. 今回の研究から, 阿蘇地区で自然に産出するリモナイト及び実験廃液中の銅を多孔質材料に担持させた触媒が環境浄化機能を有することが明らかになり, 環境教育を考慮した学生実験や市民講座の教材化等への応用をはかる予定である.
|
Research Products
(1 results)