2013 Fiscal Year Annual Research Report
アルキルアミノ酸誘導体によるInの高選択的抽出・膜分離システムの構築
Project/Area Number |
25915008
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
金丸 慎太郎 宮崎大学, 工学部教育研究支援技術センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 溶媒抽出 / アミノ酸 / インジウム |
Research Abstract |
○研究目的 : 近年、液晶テレビや太陽光発電パネル等の材料として需要が増大しているインジウム(In)について、溶媒抽出法に基づく分離回収システムの構築を目的とした。 ○研究方法 : まずはじめに、分子設計・合成および性能評価を繰り返すことで従来の抽出剤よりも高い分離能を発現する新規抽出剤の開発を行った。次に、抽出剤の性能評価として塩酸溶液中からの各種金属イオン抽出選択性を検討した上で、Inについて抽出平衡および錯体構造解析を行った。最後に、抽出剤を含有した固体高分子膜を調製し、Inの膜輸送について検討した。 ○研究成果 : 抽出剤の分子設計において、本研究ではInに親和性の高いカルボキシル基(-COOH)およびキレート配座となりうるアミノ基(-NH_2)の両方を有するアミノ酸であるプロリンを基体とする抽出剤を考案した。具体的には抽出剤構造中のキレート配位子間の結合距離を変えた分子設計・合成を行った。合成した抽出剤による金属イオンの抽出能を評価した結果、キレート配位子間の結合距離の違いによる金属イオンの抽出選択性の違いを見出した。最適な抽出剤によるlnの抽出平衡を検討した結果、分子設計における予想通り、抽出剤構造中のキレート配位子とInが配位的に結合し、立体的に安定な錯体構造を形成することで抽出されていることを明らかにした。この結果は、分光学的手法(IR, NMR等)による抽出錯体構造解析によっても裏付けした。最後に、抽出剤を含有した固体高分子膜によるlnの膜輸送を検討した結果、太陽光発電パネルの模擬浸出液(In以外にCu・Ga・Seを含む塩酸溶液)中からInのみを選択的に輸送(分離・回収)できることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)