2013 Fiscal Year Annual Research Report
5軸マシニングセンタによるオーガニックランキンサイクル用インペラの研究開発
Project/Area Number |
25917005
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Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
阿部 慶子 一関工業高等専門学校, 一関工業高等専門学校, 技術職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | インペラ / 5軸マシニングセンタ / オーガニックランキンサイクル |
Research Abstract |
インペラはタービンや過給機など流体機械の主要部品として大きな役割を果たしている. 過酷な環境下での使用ため, 丈夫で壊れにくいことが要求される. 従来は鋳造法での製造が主流であったが, 5軸マシニングセンタ(以下MC)が普及してからは切削加工により短時間で製造されるものも増えてきた. しかしその設計, 加工に関してのノウハウは企業秘密のため, 高専の教育・研究に取り入れることは困難であった. 本研究では, とくに近年着目されている排熱回収のためのオーガニックランキンサイクル用インペラを, 以下の手順により設計・試作することを目的とした. 1.3D-CADにより設計 2.3Dプリンタによるインペラ形状の試作・確認 3.CAMによる加工経路の作成 4.5軸MC加工(技術講習により操作習得) 今回設計したインペラは回転数3000~4000rpm, 有機冷媒R245fa中で使用する. 直径70㎜, 羽根枚数14, 軸方向高さ70㎜として3D-CADでモデリングしたが, 最終的に使用するMCの都合から羽根枚数は7に変更した。 5軸MCで切削加工をするためにはCAMによるNCデータの作成と事前検証(シミュレーション)が重要な要素となる. まず, 5軸対応のCAMを用いて教職員向け講習会に参加しNCデータを作成した. さらに, インペラのような複雑な形状は同時5軸加工により行うが, その際マシニングセンタの主軸とテーブルの干渉や衝突が課題となり, 企業でも事故が多い. 研究を進める途中で, 干渉チェックが必要であることが判明したため, モデルデータを作成して加工シミュレーションを行った, 同時に, 5軸加工の講習会を受講し, 5軸MCをより安全かつ効率的に加工できる知見を得た. 本校の設備利用の都合で, 同時5軸加工による試削までは完了しなかったが, 単段半径流衝動タービンをMCによる3軸加工で試作した. 今回の研究では, 5軸MCを使用した流体機械の加工に関する知見が得られたとともに, 高専での教育・研究用部品の設計・試作に事例を一つ加えることができた. (796字)
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