2013 Fiscal Year Annual Research Report
辺境地域等の過酷な条件下での活用に特化したメンテナンスフリー小型風車の開発
Project/Area Number |
25917008
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奥林 豊保 大分大学, 工学部, 技術専門員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 直線翼 / トルク / 出力係数 |
Research Abstract |
研究目的 本研究では開発途上国などの未電化および辺境地域における風力エネルギの利用促進について提案するものである。しかし、過酷な自然環境下での使用には克服すべき課題も多い。これらの地域に特化した利用を目指すならば、1)自主独立型である、2)風向きの影響を受けない、3)簡単で、故障に強い構造である、4)何らかの不具合が生じたとしてもほとんど専門的知識を必要とせず補修が可能なことなどを満足させる必要がある。上記の条件を満たすものとして垂直軸型風車の一種であるクロスフロー型を今回の実験に用いた。クロスフロー型風車の翼形状は一般的に円弧翼が用いられるが、今回は直線翼(平板翼)を用い、以前行った円弧翼の実験結果と比較した。 研究方法 直線翼を用いた供試ロータは入口角2種類(40°、60°)、翼枚数2種類(16枚、8枚)で、計4種類のパラメータについてデータ収集し、起動特性、出力特性などの風車性能を求めた。実験には吐出し口寸法900㎜×900㎜の単回路吹出し風洞を用い、流速は5.05m/sで行った。 研究成果 4種類のパラメータの中で、入口角60°、翼枚数8枚のロータが出力係数0.09を示した。しかし、残り3種類のロータの出力係数は0.05以下であった。これまで当研究室で行った円弧翼を用いた実験における出力係数の最大値は0.10(これまでに報告されたクロスフロー型風車の最大値とほぼ一致)であり、0.09と言う数値は円弧翼ロータと遜色ない結果が得られたと考える。 これらの結果から、入口角や翼枚数を適切に組み合わせることで、構造は単純化し、翼枚数を大幅に減少(円弧翼では20枚以上)させることが可能となり、コストおよびメンテナンスの面からも今後直線翼(平板翼)の活用を推し進める条件の一部が整ったと思われる。
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