2013 Fiscal Year Annual Research Report
極めて微小な測定体積を持つ位相ドップラー流速計の開発
Project/Area Number |
25917012
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
駒田 佳介 長崎大学, 工学研究科, 技術職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ディーゼル機関 / レーザー計測 |
Research Abstract |
ディーゼル機関の排気物質低減のため、燃料噴霧の挙動の解明が求められているが、噴射される燃料の噴霧液滴は高速かつ高数密度であるため従来の流速計では測定が困難であった. 位相ドップラー流速計(PDPA)は2本のレーザー光を交差させ, 交点に生じた干渉縞を通過する液滴の速度とサイズを計測する装置であり, 液滴の速度とサイズを計測する代表的な計測装置である. しかし, 従来のPDPAの測定体積は大きく, そのため高数密度な液滴群の個々の液滴を計測することが困難であった. 独自に開発したレーザー2焦点流速計(L2F)は, 半導体レーザーより出力されたレーザー光をビームスプリッターにより2本のレーザー光に分け, 集光レンズを用いることにより形成した2つの焦点間を飛行する液滴の速度とサイズを計測する装置である. L2Fの測定体積はPDPAに比べて100分の1以下であり, より高数密度な液滴群の計測が可能であるが, 測定点を通過した液滴の形状を識別することができない. 本研究において, L2Fの光学系を改良し, 極めて細いレーザー光を用いた測定点を作ることで, L2Fよりも小さな測定点を持ち, なおかつ変形した液滴を識別可能な新たな流速計を開発することを目的としている. 波長810nmの半導体レーザーより出力された拡散するレーザー光を非球面レンズおよびビームスプリッターを用いることで2本の平行光を生成し交差させた. 2本のレーザー光の交差部に液滴を通過させた際に生じたドップラー信号を受光可能であることを確認した. 他研究者が公表した論文, および過去に行ったL2F計測結果より, ディーゼル噴霧の先端近傍に高数密度な液滴群が存在することがわかっている. 今後は光学系を最適化することでより細いレーザー光を生成し, さらに波長が短い半導体レーザーを用いることで測定体積の微小化する. それらの光学系を用いて噴孔近傍における噴霧先端に存在する高数密度液滴群の挙動を明らかにすることを目指す.
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Research Products
(4 results)