2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25917018
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
武田 洋一 岩手大学, 工学系技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 旋盤加工 / 切削加工 |
Research Abstract |
旋削による内径加工では、加工可能な最大内径が下穴径によって大きく左右される。入口径が小さく内部径が大きくなる様な袋形状の加工では、工具形状により切削可能な形状が限定されてくる為に、複数の工具を用いて、かつ挿入方法を工夫しながら加工しなければならない。その問題を解決するには、内径工具を下穴に挿入して、刃先位置を変形出来る工具が必要である。そこで、近年の工作機械の多軸化にならい、旋削工具の先端の角度位置を任意に調整できる旋削工具を開発することを目標として、工具の設計製作を行い、アクリル樹脂切削により工具の評価を行った。 工具の設計開発として22.5°刻みの指定角度で刃先が回転する内径工具製作を行った。丸棒に先端角30度のハイス工具を丸棒の先端部にピンで固定し、回転出来る仕組みである。この工具を用いた切り込み量1.0mmのアクリル加工では、横切れ刃角が大きくなる大径加工の角度ほど、切削力による回転支持部へのモーメントが増大する為に、ハイス工具の振動が発生し、仕上げ表面が欠けた表面となった。しかし、切り込み量を0.2mmと小さくし、また先端工具の固定方法をネジ固定として改善したところ、綺麗に加工を行う事が出来た。 これにより、切り込み量の多い切削では、回転支持部の剛性不足により難しく、また工具の角度位置決めの固定方法により、切削方向によっての表面粗さの低下や加工精度の低下を招く事が分かった。これらを解決する為には、コンパクトで高精度かつ剛性の高い回転機構と共に、切削条件の検証が必要である。 それを踏まえ、任意角度で刃先切れ角を調整出来る機構設計を行い、刃先位置に影響する回転角度を精密に再現できるよう、市販の刃先交換式工具を改良した工具開発を行った。本開発では角度位置決め方法としてウオームギア方式とネジ機構とロッド棒でつなぐロッド方式の設計製作を試みた。しかし、設計した製作工具を内径切削が可能なサイズを製作出来るに至っておらず、今後の課題として研究を継続する予定である。
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