2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25917021
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
中西 喜美雄 北見工業大学, 技術部, 技術員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 寒冷地 / 廃熱輸送 / 潜熱蓄熱材 |
Research Abstract |
本研究では, 200℃以下の比較的低温域の廃熱を有効利用する「潜熱蓄熱材による廃熱輸送」について北見市における適用モデルの検討を試み, 熱利用施設と熱源施設における熱量のバランスやコスト面を考慮した数値解析や実際に潜熱蓄熱材を用いた際の問題点について実験を通して検討を行った。得られた結果を要約して以下に示す。 (1)北見市において潜熱蓄熱材による廃熱輸送を適用するに当たり, クリーンライフセンターからの排出熱だけでは北見市民温水プールの必要熱量分を賄うことは困難であるが, 一時的に北見市浄化センター分を用いることによって, 年間を通して必要熱量分を賄える。 (2)実証試験や実用化されている蓄熱タンクを計算モデルとして, 北見の冬季を想定した周囲温度条件において熱量保持率を計算した結果, 必要とされる30分間の輸送時間では99%以上の値が確保でき, 熱損失量は周囲温度の影響をほとんど受けない結果が得られた。 (3)間接熱交換方式における室内実験では, 熱媒油と蓄熱材間の熱移動が自然対流熱伝達であるために蓄熱タンク内に温度分布の違いが存在した。特に蓄熱タンク内下層における熱伝達が不十分であり, タンク全体に均一に熱伝達する工夫が必要である。 (4)直接熱交換方式では, 蓄熱材全体が液相に変化するような潜熱相当分の蓄熱が短時間で行うことが可能であり, 熱交換効率の向上が大いに期待できる。 以上のことから, 潜熱蓄熱材による廃熱輸送では, 北見市の冬季における外気温の影響が施設間の輸送に関してほとんど影響を与えることがなく, 所用コストも大幅な削減が可能であることから, 極寒冷地においても適用可能といえる。しかし, 実用化に向けて使用する潜熱蓄熱材の諸特性の把握や, 蓄熱タンクの構造の改善など更なる検討が必要である。なお, 計画段階では, 蓄熱材として石炭灰焼結多孔質体を用いその適用の可能性を検討することとしていたが, 時間の関係で基礎的な実験しか行えておらず, 今後実験を進めて参りたい。
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Research Products
(2 results)