2013 Fiscal Year Annual Research Report
患者間の自発的訓練を促すネットワークコミュニティを用いたリハビリ支援システム開発
Project/Area Number |
25918006
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
上杉 一秀 熊本高等専門学校, 技術・教育支援センター, 技術長
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自発的かつ継続的な訓練 / ネットワークコミュニティ / 歩行訓練 |
Research Abstract |
1, 研究目的 現代社会は急速に高齢化社会が進行し、高齢化に伴う脳血管障害や交通事故の後遺症などで手足の動きに障害を持つ人々が増加している。これらの人々の自立や社会復帰のためのリハビリテーションは訓練者が意欲を維持しながら訓練を継続していくことが重要である。本システムは誰でも参加できるインターネット方式と違い、メンバー登録制を採用することで訓練者の個人情報の漏洩防止に配慮できるメリットのあるソーシャル・ネットワーキング・サービス方式を用いたネットワークコミュニティを形成し、訓練者同士が専用回線でお互いに励まし合いながら歩行訓練を行うことにより『訓練への意欲』を継続できるようにするものである。 2, 研究方法 実験開始の前に、インフォームド・コンセントを図り、実験内容を十分に理解してもらい、測定がスムーズに行えるように注意を払った。最初に、SD評価法によるアンケート調査と血圧測定、心拍数測定を行い、心身の状態を調べた。専用回線を用いてテレビ電話のように会話や歌を取り入れた歩行を実施した。実験中は心拍計とパルスオキシメータを装着して心拍数、R-R間隔および血液中の酸素飽和濃度など生体情報を計測し、実験終了後に解析ソフトおよびアンケート調査にて歩き易さや疲労感など心身の状態を解析した。 3, 研究成果 R-R間隔や血中酸素飽和濃度に大きな差異は見られなかったが、アンケートによると、友達同士で会話したり、歌ったりしながら歩くので、時間経過が早く感じられたとか、お互いの表情を見ながら歩行することで、励ましあったり、刺激を受けたりしながら訓練に励むことができた。さらに、次回の歩行訓練が待ち遠しいといった意見が得られた。訓練の効果は、歩行訓練を継続的に長く行うことで現れると考えれば、『自発的な訓練意欲の継続』という観点からも本システムがリハビリテーションに有効であり、今後さらに重要性を増していくと思われる。
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Research Products
(1 results)