2013 Fiscal Year Annual Research Report
工業用内視鏡を用いたかぶりコンクリートの簡易凍害劣化診断技術の開発
Project/Area Number |
25920006
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
斎藤 憲寿 秋田大学, 工学資源学研究科技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 工業用内視鏡 / 凍害 / ひび割れ |
Research Abstract |
【研究目的】 高度経済成長期に建設されたコンクリート構造物は建設後数十年が経過しており, 今後劣化診断が必要な構造物が急増すると予想されるため, 詳細調査の際に現場で簡易に診断するための技術開発が重要となる。本研究は, 凍害により劣化したかぶり部(深さ0~50㎜)を対象に現場で簡易に診断を行うことを目的として, 小型で狭い場所を観察できる工業用内視鏡に着目し, これを用いてかぶりコンクリートのひび割れを観察するための基礎研究を行った。 【研究方法】 実験用供試体として水セメント比65%の角柱供試体(100×100×400㎜)を製造し, 標準養生後, JIS A 1148 (A法)に準じて凍結融解試験を行い供試体の劣化を促進させた。そして, 凍結融解0および300サイクル終了後の供試体側面を電動ドリルで削孔し, 工業用内視鏡を挿入して内部のひび割れ状況を観察した。また, 凍結融解抵抗性の指標である相対動弾性係数や採取した小径コアのひび割れ密度と比較を行った。 【研究結果】工業用内視鏡(最大30倍)を用いることにより, 最小で0.05㎜程度のひび割れを確認できた。また, 凍結融解サイクル数の増加するほどコンクリート内部のひび割れ本数が増加しており, 相対動弾性係数や角柱供試体より採取した小径コアのひび割れ密度との関係が認められた。今後の課題として, 電動ドリルで削孔した際に削孔面が粗くひび割れ観察が非常に困難であったことから, 適切なドリルビットの選択を含めた作業方法の改善が必要である。
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