2013 Fiscal Year Annual Research Report
高耐久の実現を目指した実大コンクリート床スラブの経年劣化診断
Project/Area Number |
25920013
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
和藤 浩 三重大学, 工学部・工学研究科, 技術専門員
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 真空脱水工法 / コンクリート床スラブ / 劣化診断 |
Research Abstract |
研究代表者らは、建築分野の軟練りコンクリートを適用可能な新しい真空脱水工法を考案し、実験室実験および実大スラブ実験において、その効果を例証してきた。しかし、これまでの一連の実験では、材齢28日の力学的性状の検討が主たる目的であり、長期材齢に関する劣化診断は行ってきていなかったが、経年劣化に対しても、真空脱水処理を行ったコンクリート床スラブは、その性能は期待されると考えられる。 そこで、本研究では、平成17年11月に真空脱水工法の効果に関する実験のために、三重大学工学部建築学科棟裏の屋外に施工(150m^2程度)された現場打ちコンクリート床スラブを用いて、材齢7年6ヶ月の時点における品質および劣化状況を測定した。なお、測定した水準は、無処理、真空度(吸引圧/大気圧)30%および70%の部分である。 測定項目は、中性化深さ、表面反発度、圧縮強度分布、密度分布および断面観察である。また、当該スラブは、伊勢湾の海岸線より250mと近いため、塩分濃度分布を波長分散型電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)を使用して測定した。なお、参考値として、Ca、S、Cについても測定を行った。 その結果は、スラブ表面からの中性化深さおよび塩化物イオンの侵透は、材齢7年6ヶ月が経過しても、真空脱水処理の有無にかかわらず見られなかったが、上層の圧縮強度は、材齢の経過に伴い増加した。とくに真空脱水処理を行った試験体の上層の圧縮強度の増加が著しく、その増加は、真空度の高い70%の方が大きくなった。 これらの研究成果は、日本建築学会東海支部研究報告会や三重大学技術発表会でコンクリート床スラブの重要性、真空脱水工法を行ったコンクリート床スラブの性能および有用性について報告を行った。また、研究成果をポスターパネルにして、三重大学工学部建築学科棟に掲示し、学部生、大学院生に補修・改修も鑑みたコンクリート床スラブの重要性について知見を深めてもらうようにした。
|
Research Products
(3 results)