2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25921005
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
大内 忠司 新居浜工業高等専門学校, 技術室, 技術専門員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 青銅鏡 / 銅錫合金 / EPMA |
Research Abstract |
1、研究目的 : 一年生を対象に環境材料工学入門として、行っている青銅鏡作りの方法を改善する。 (1)、錫の溶融時における酸化および、青銅鏡の結晶粒粗大化を予防する。 (2)、入学したばかりの学生たちに、「合金とは何か」、「青銅鏡は、何故、銅と錫の混合比が3:1なのか」等を、視覚的に分かりやすく説明できるように工夫をする。 2、研究方法 : 坩堝の種類を変え、鋳物砂を入れた冷却専用ステンレスパット上に数個の坩堝を配置し青銅鏡を作製する。6種類の混合比率で銅錫合金を作製し、硬さ試験及びEPMAによるX線面分析等を行う。6種類の銅錫合金は、それぞれ鏡面仕上げをして組成の違いによる色見本とする。 3、研究成果 (1)、黒鉛坩堝を3個、鋳物砂を入れた冷却専用ステンレスパット上に配置し3回に分けて作製することで錫の溶融時における酸化および、青銅鏡の結晶粒粗大化をほぼ予防することができた。 (2)、6種類の銅錫合金の組成と硬さのグラフ及びEPMAの面分析写真(銅、錫のX線像とSEM像)を対比させたテキストを作成した。これにより、硬さは錫30%あたりが最高であるがその表面は均一ではなく、錫25%が強度と表面の美しさから青銅鏡に適しているのが分かる。 また、6種類の銅錫合金のX線像(銅、錫)とSEM像から、合金は、銅と錫がすべて均一に混ざり合っているのではなく、銅の多いところと錫の多いところが混在しているのが分かる。 ここでも、青銅鏡(錫25%)が最も均一に混ざり合っているため表面が比較的きれいである。 これらにより、低学年の学生に、銅と錫の混合比率によって、銅錫合金の硬さや色がどの様に変化するか青銅鏡は何故、錫25%なのか実際に、目で見て理解してもらえるようになった。 銅錫合金に含まれる銅や錫が、その混合比率の違いによってどのように溶け合っているか、分布状態を視覚的に見てもらうことにより「合金とは何か」分かりやすく説明できるようになった。 青銅鏡(錫25%)の銅と錫が、他の銅錫合金と比較して均一に分布している状態を写真(X線像)で示すことができた。
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