2013 Fiscal Year Annual Research Report
空間的アクセス性評価による小型空気圧アクチュエータ駆動ポータブル肩義手の開発
Project/Area Number |
25922011
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関根 雅 千葉大学, フロンティア医工学センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 肩義手 / 空気圧アクチュエータ / 空間的アクセス性 |
Research Abstract |
1. 研究目的 肩義手は前腕・上腕義手と比較して, 高い自由度と多くのアクチュエータを必要とし, サイズは大きく重量も重く, 制御機構は複雑となり開発が困難となる. 本研究では, 日常生活においてユーザーが使いやすい, ポータブルな軽量肩義手の開発を目的とした. 2. 研究方法 目的の肩義手を開発するために, 下記を設計コンセプトとした. (1)軽量化と携帯性のために小型の空気圧ゴムアクチュエータと携帯型コンプレッサを採用. このアクチュエータの粘弾性は義手の柔軟性・親和性, すなわち肩義手使用の安全性に寄与する. (2)高剛性と高出力を可能にするパラレルリンクメカニズムを採用. しかしながら, パラレル構造の可動領域は小さく限られるため, 義手の作業領域は, 義手使用者個人が頻繁にアクセスする領域に適応させる必要があり, 構造の最適化設計が必要である。 (3)重量部品の据え付けと義手本体の格納・突出が可能なバックパックを装備する. これにより軽さ感覚と携帯性の向上が期待される. 3. 研究成果 まず健常者について, 実際に数種類の日常生活活動を計測し, その空間的な活動領域を満たすべく, 義手構造の最適化設計を行った. 義手の各部寸法やリンクの取付け角度, アクチュエータの配置をパラメータとし, 空間アクセス性と操作性, さらにアクチュエータの所要力を評価することで, 普段の活動形態や身体に合わせた実用的なオーダーメイド型肩義手の設計プロシージャを構築した. さらに計測された動作における手先の軌道を基に, 人間のリンクモデルを作成し, 逆動力学を用いて義手の所要トルクや腰部の負荷を解析するソフトも開発した. その結果, 義手アーム本体からバックパックへ重量を分配することで, シミュレーション上で腰部の回転トルクを軽減できることも示した. 以上の結果に基づき, 樹脂パーツと空気圧アクチュエータを用いた軽量試作機を製作した.
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Research Products
(2 results)