2013 Fiscal Year Annual Research Report
ニンジンの抗菌作用および好気条件・嫌気条件における植物性殺菌素の研究
Project/Area Number |
25923001
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Research Institution | 千葉県立木更津高等学校 |
Principal Investigator |
善養寺 聡彦 千葉県立木更津高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 嫌気条件 / 抗菌作用 / ニンジン |
Research Abstract |
研究目的 : これまでに自主開発した密閉容器(ガラスフラスコおよそ1リットル)にゆで卵を入れ、これにニンジンのすり下ろしを入れてその抗菌作用を確かめる実験を行い、嫌気条件でのニンジンの抗菌作用を確認した。そこで本研究では、1. ニンジンの抗菌作用の検証、2. ニンジンの抗菌作用の特徴を調べる、3. ニンジンの抗菌成分の特定、を目的として実験を行った。ニンジンの抗菌力は現在知られていないので、この作用を証明できれば新知見となる。またニンジンは安価な食品であるので、その有用物質の応用には大きな期待がもてる。 研究方法 : 今回研究では実験開始時の容器内に残る酸素の影響を除くために、アネロパック(脱酸素剤)を用いてフラスコ内の嫌気条件を整えて実験を行った。実施した実験は主に、1. 生ニンジンおよび処理ニンジンによる抗菌試験、2. 抗菌試験後のバクテリア検出(卵とニンジン)、3. フラスコ内のガス分析、である。研究成果 : 〈ニンジンの抗菌作用およびその特徴〉フラスコで腐敗阻止を確認した後の卵からは、バクテリアが検出された(好気、嫌気条件共)。従って、ニンジンの抗菌作用は殺菌ではなく、静菌と考えられる。そしてこの作用は、ガンマ線殺菌したニンジンや80℃で茄でたニンジンでもみられた。従ってニンジンの抗菌物質は、すり下ろし後の細胞活性によらず、すり下ろし前のニンジンに含まれていると考えられる。また強すぎるガンマ線照射や高温処理は、抗菌作用を弱める傾向が認められた。 〈フラスコ内の気体分析〉抗菌試験でのフラスコ内のガス分析をガスクロマトグラフィーによって行った。今回は低分子領域の分析のみ行った。生ニンジンではCO2の発生がみられたが、それ以外目立った物質は検出されていない。CO2発生はガンマ線処理ニンジンや茄でニンジンでは目立っていないので、CO2発生はニンジン内に存在したバクテリアあるいはニンジン細胞による嫌気呼吸によると考えられる。
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Research Products
(1 results)