2013 Fiscal Year Annual Research Report
都市公園における鳥類相変動および種子散布への影響について
Project/Area Number |
25924005
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
眞塩 智野 早稲田大学, 高等学院, 非常勤講師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 鳥類相 / 種子 / 生態学 |
Research Abstract |
研究目的 生態学分野は動植物の関係性等を学ぶことにより身近な自然に目を向けられる分野である。しかし授業で扱う場合、他分野に比べ実験が少なく実地調査がしにくい等、生徒に実体をつかませづらい。そこで、食物連鎖や遷移の内容と関連し、教員の調査データから都市近郊の雑木林の様子を把握してもらう方法を考え、実施した。特に観察しやすい野生動物として鳥類を取り上げた。 調査地概要及び調査方法 調査地 : 都立小宮公園(東京都八王子市の典型的都市近林)。過去に自身で調べたデータがあり、比較可能。 調査 : 鳥類の食物把握…糞・ペリットの採取(自身及び理科部活動日)・分析(自身及び高校2年生授業時)繁殖期・非繁殖期の鳥類相把握…ラインセンサス調査(自身で日の出後30分~1時間の問に開始) 研究成果 鳥類相 : 2013年度は夏鳥・冬鳥を含め35種類の鳥類が観察できた。2002~2003年の同様の調査と比較すると、繁殖期・非繁殖期とも出現種数に大きな変化は見られなかった。よって当調査地を利用する鳥類相の減少などは無いとわかる。過去の通年調査の確認種数(46種)と比較すると2013年度は少ない。これは調査時期を限ったこと、移動のタイミングが天候や気温により変化し飛来時期がずれたことが原因と考えられる。しかし部活の日は過去未確認の種が観察された。よって一年間調査を続けて比較をすれば、より正確な鳥類相が分かるであろう。一方、個体数ではガビチョウが過去の何倍も増えていた。これは耕作放棄地などが増えたためと思われ、今後も注目したい。 食べ物把握 : 繁殖期は昆虫、非繁殖期は植物の種子が多く見つかった。種子の種類はエノキ・ムクノキが多かった。よってこれらの植物種は鳥類によって種子が当調査地に散布されていると分かる。更新場所に落とされた場合、二次遷移の種の一つになることが予想される。 分析後の反応 : 生徒から食物連鎖を実感したという声や、植物が鳥類を種子散布に利用している事への気付きが得られた。また、種子の残り具合から鳥類の種子の食べ方などへの注目も見られた。
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Research Products
(2 results)