2013 Fiscal Year Annual Research Report
黒毛和種牛と乳牛における分娩前後の血液成分と初乳成分の関係について
Project/Area Number |
25925009
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
宇田津 康弘 宮崎大学, 農学部附属フィールド科学教育研究センター 住吉フィールド(牧場), 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 初乳 / 移行抗体 / IgG |
Research Abstract |
牛の母子免疫の特徴として、初乳を介してのみ免疫抗体が移行することがあげられる。仔牛の生産性を高めるためには免疫成分を多量に含んだ初乳の適正給与が不可欠である。初乳中免疫抗体の量と質は母牛の年齢、健康状態等によって異なると考えられているが、その差異を考慮した適正な初乳給与方法は十分に確立されておらず、特に黒毛和種牛の初乳についての情報は少ない。 平成23年度科学研究費補助金(奨励研究)により、分娩前90日~分娩後60日までの母牛と出生後60日までの新生子牛から定期的に血液や初乳を採取して免疫グロブリンG (IgG)量を測定し、血中と乳中IgG量に関する調査を行った。その結果、分娩前後の母牛におけるIgG濃度以外の血液成分を調べることにより、初乳中IgG濃度との関連性を明らかにできる可能性が強く示唆された。 本研究では、宮崎大学農学部附属住吉フィールド(牧場)にて飼養され、平成25年5月~平成26年1月にかけて分娩した母牛37頭(乳牛14頭、黒毛和種牛23頭)および分娩後仔牛29頭を用いて試験を行った。試験母牛は分娩予定日の90日前から分娩後60日まで15日間隔で1頭あたり計11回の採血を行うとともに、毎月1回はBCSを測定し、分娩時には初乳を採取した。初乳中のIg濃度を調べるため携帯型屈折計によりBrix値を測定した。試験仔牛は出生時、翌日、生後150日までの間に計7回の採血を行うとともに、生時体重および毎月1回の体重測定を行った。採取した血液は、放射免疫拡散法により血中IgG濃度を測定するとともに、TP、アルブミン、BUN等の血液生化学的検査を行った。 本研究の結果により、分娩前の母牛における血中IgG値および血中生化学検査の値の変動が、分娩時の初乳中Ig濃度に与える影響を明らかにすることが出来た。本研究の結果を学術雑誌などに発表するため現在準備中である。
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Research Products
(1 results)