2013 Fiscal Year Annual Research Report
農場・農産加工廃棄物の好気性超高温発酵(117℃)処理システムの開発と実用性評価
Project/Area Number |
25925018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 友継 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 超高温発酵 / 通気調整 / 発酵産物 |
Research Abstract |
【研究目的】 農畜産業の現場においては、農畜産物の生産を進める一方で、常に多種・大量の廃棄物を排出している。これらを放置すると、極めて悪い衛生環境がもたらされ有害な病原菌による感染症の温床を拡大するため、これらの廃棄物を安価で効果的に殺菌かつ容積縮小できる処理システムの確立が強く求められている。私たちは、これまで、超高温発酵菌叢を有する戻し堆肥の活用により、家畜糞尿を100℃以上の超高温状態(最高117℃)にさらし、6週間で堆肥化する技術を実証した。本研究では、超高温発酵処理システムの実用化に必要とされる (1) 混合作業技術、(2) 通気調整技術、(3) 発酵産物評価技術、について検討した。 【研究方法】 (1) 混合作業技術 : 原料の特性に応じて混合割合を決める方法、重機により細かく堆肥を撹拌する方法について検討。(2) 通気調整技術 : 機械的に調整される送風量と原料の通気特性が、堆肥中の通気状態に及ぼす影響について検討。(3) 発酵産物評価技術 : 多様な原料由来の発酵産物の施肥利用での評価方法、また菌叢解析による評価方法について検討。 【研究結果】 (1) 混合作業時直後の堆肥においては、物理的ばらつきが大きく、発酵に適した水分率の見極めが難しかった。より効果的な混合方法と水分率の把握方法の確立が必要である。(2) 発酵槽内の風量は前方後方で大きく異なり、管周り清掃状況や部分的破損の影響は極めて大きかった。また通気調節の方法は、通気管・通気口の構造に応じて大きく変える必要がある。(3) 現在の農畜産の現場で施肥利用される発酵産物において、最も懸念されるのは原発事故に起因する放射能汚染であった。放射性Cs900Bq/kgの発酵産物を複数種の作物に施肥利用しても、作物へのCsの移行がほぼないことを確認した。また発酵中堆肥の菌叢の変化をPCR-DGGE法を用いた遺伝子解析にて評価できることを確認した。
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Research Products
(1 results)