2013 Fiscal Year Annual Research Report
明期終了時の短時間LED照射が光周性の異なる花卉類の生育に及ぼす影響
Project/Area Number |
25925021
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長嶋 豊之 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 植物生長制御 / LED / 光応答反応 |
Research Abstract |
長日植物のペチュニアは'さくらさくら'を使用した. 上位5側枝の節間長について青色砲弾型LED処理区が最も小さく推移し, 予想に反し, 茎伸長の抑制効果が示唆された. しかしながら, 試験区全体の平均値では葉数, 側枝数ともにパネル型LED区及び蛍光灯区との差異は少なく, 砲弾型LEDが隣接する株に対して与える影響が小さいことが分かった. 短日植物のポットマムは10月中旬より試験を開始したが, 分枝数が多く, 効果の判定が難しいため同試験を中止し, 同じキク科で分枝数の比較的少ないオステオスペルマム'サンナドーラ フロリダ'を使用した. 草丈の伸長増加率と上位3側枝長において, 赤色砲弾型LED処理区が最も大きくなり, 上位3側枝葉数は青色砲弾型LED処理区が最も小さくなった, しかしながら, パネル型LED処理区については, 赤色青色ともに対象蛍光灯区との差異が見られなかった. 砲弾型LED処理区の反復数は少ないとはいえ, 以上の結果から, 砲弾型LED処理が, 植物の個体別生長制御を行うことができることが示された. 従来のLED補光方法は, 温室内の栽培植物を一斉に制御する方法であり, 個体ごとの補光処理の変更が不可能であった. しかし, 本研究は同じ温室内で隣接して栽培している植物でも個別の生長制御を行える補光方法を検証した. 砲弾型LEDを植物に対する補光光源として使用した研究例は無いが, 当該LEDは安価で流通量も多いため, 研究成果を反映させた技術の普及時には有利である. なお, 本研究の成果は, 残念ながら年度内の学会発表には間に合わなかったが, 隣接する株に対しての影響が小さいことが明らかになったため, 今後, 省スペースでも反復数を増やすことができ, さらに多様な植物と光強度の違いによる影響について検証し, 新たな知見を得ることに努めたい.
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