2013 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞肺癌患者におけるエルロチニブの血中動態に及ぼすがん悪液質の影響
Project/Area Number |
25926002
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
石田 卓矢 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エルロチニブ / がん悪液質 |
Research Abstract |
本研究では、がん悪液質の進行度を、アルブミン濃度およびCRPを指標としたGlasgow prognostic score (GPS)に基づいて分類し、がん悪液質とエルロチニブ、活性代謝物OSI-413およびOSI-420の血中濃度との関連性を検討した。エルロチニブ投与開始7日以上経過した18名の患者を対象に、エルロチニブ服用直前に採血された検体を用い、LC-MS/MS法によりエルロチニブ、OSI-413およびOSI-420の血中濃度を測定した。対象患者におけるエルロチニブの投与量は、150㎎/日が18名、100㎎/日が1名であった。GPSによるがん悪液質の分類の結果、GPSOは12名、GPS1は6名、GPS2は1名であった。GPS0、1および2の群におけるエルロチニブの血中濃度(平均値±標準偏差)は、それぞれ497.0±250.1、317.9±249.1、369.9ng/mL per mg/kgであった。同様に、OSI-413の血中濃度は、それぞれ55.5±37.3、28.4±13.0、108.5ng/mL per ㎎/㎏であった。OSI-420の血中濃度は、それぞれ9.5土5.7、5.2±4.0, 9.7ng/mL per ㎎/㎏であった。エルロチニブ、OSI-413およびOSI-420のいずれにおいても、がん悪液質と血中濃度との関連性はなかった。また、エルロチニブに対するOSI-413の代謝比は、GPS0、1および2において、それぞれ0.11、0.10、および0.29、エルロチニブに対するOSI-420の代謝比は、それぞれ0.019、0.016および0.026であり、代謝比においてもがん悪液質の関連性はなかった。今後、症例追加を行い、継続して検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)