2013 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞がん患者におけるアキシチニブの薬効及び副作用の個人差を規定する要因解析
Project/Area Number |
25926009
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新迫 恵子 京都大学, 医学部附属病院, 薬剤師
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | アキシチニブ / 腎細胞がん |
Research Abstract |
腎細胞がん患者におけるアキシチニブの薬効と副作用の個人差を規定する因子を明らかにすることを目的として以下の検討を行った。対象患者は2012年8月から2013年12月までに京都大学医学部附属病院泌尿器科において、アキシチニブ治療を行った腎細胞がん患者とし、電子カルテを通してレトロスペクティブに調査した(観察期間 : 2014年3月まで)。 対象患者は20人(男性16人、女性4人)、年齢の中央値は64歳(42~79歳)であった。アキシチニブ服用前に使用した分子標的薬は、スニチニブ12人、ソラフェニブ4人、エベロリムス4人、テムシロリムス1人であり、インターフェロンは10人であった。原発巣除去手術を行っていた患者は14人、アキシチニブ服用後手術を行った患者は2人であった。 服用継続期間の中央値は155日(5日~422日)であった。中止理由は病勢進行によるものが12人と最も多く、手術2人、副作用1人(蛋白尿)、その他1人(心嚢水・胸水貯留)であった。主な副作用は、高血圧15人(75%)、嗄声7人(35%)、手足症候群6人(30%)、蛋白尿5人(25%)、下痢5人(25%)であった。 さらにグレード3の高血圧を示した患者5人では服用継続期間が404日(148-422日)で、それ以外の患者の155日(5-321日)よりも有意に長かった(p=0.0363)。なお、体重あたりの初期服用量と服用継続日数との相関は見られなかった(R^2=0.0059)。 以上より、アキシチニブの副作用はコントロール可能なものが多く、病勢進行による服用中止が多かったことから、アキシチニブの薬効を十分に発揮できる用量設定を行う必要があると示唆された。初期服用量と体重の問に関連が認められず、服用後の高血圧が服用継続期間に影響したことから、初期用量10mgで開始後に血圧を指標に用量を検討することが望ましいと考えられた。
|
Research Products
(2 results)