2013 Fiscal Year Annual Research Report
タクロリムスとイトリコナゾールとの相互作用に及ぼすCYP3A5遺伝子多型の影響
Project/Area Number |
25926012
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
新岡 丈典 秋田大学, 医学部附属病院, 講師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | タクロリムス / 薬物-薬物相互作用 / CYP3A5遺伝子多型 |
Research Abstract |
タクロリムス(Tac)とアゾール系抗真菌薬との薬物動態学的相互作用について、以下の検討を行った。 Tacのトラフ濃度(C_<0h>)およびピーク濃度(1日1回製剤[QD], C_<4h> ; 1日2回製剤[BID], C_<2h>)を投与量(D)で補正し(C/D)、本値を指標として、ベ一スライン(アゾール系抗真菌薬併用前)からの変化を解析した。 CYP3A5遺伝子多型の発現頻度(^*1アレル保有者 : ^*3/^*3)はQD群で7:7およびBID群で4:4であった。 1. CYP3A5遺伝子多型問におけるC_<0h>/Dの比較 (1) QD群において、CYP3A5遺伝子多型間で有意差は認められなかった(P=0.37)。 (2) BID群において、同様に有意差は認められなかった(P=0.08)。 nが不十分であったことが、有意差が認められなかった理由として考えられる。 2. 製剤間におけるC_<0h>/Dの比較 (1) QD群とBID群との間に有意差は認められなかった(P=0.68)。 3. ITCZ (QD群ではFLCZ)併用前後における製剤間およびCYP3A5遺伝子多型間でのC_<0h>/Dの経時的変化 (1)CYP3A5遺伝子多型間のC_<0h>/D比較において、BID群では有意差が認められなかったが(P=0.13)、OD群では^*3/^*3群の方が有意に高かった(P=0.01)。 (2)QD群およびBID群において、C_<0h>/DはITCZ (FLCZ)併用約6日後に定常状態に到達した。 (3)トラフ濃度を推奨域で維持するためには、ベースラインから約4分の1の減量が必要であった。 4. 製剤間におけるピーク濃度/Dの比較 (1)アゾール系抗真菌薬非併用時において、BID群のC_<2h>/DはQD群のC-<4h>/Dより有意に高かった(P=0.01)。 以上のことより、CYP3A5^*3/^*3群におけるQDとアゾール系抗真菌薬との相互作用には特に注意が必要である。
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Research Products
(2 results)