2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト血清中アポAIのホモシステイン化リジン残基の同定
Project/Area Number |
25928002
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
市村 直也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アポリポタンパクA1 / ホモシステイン化 / オンレズンダイジェッション-質量分析法 |
Research Abstract |
研究目的 : ホモシステインの増加は動脈硬化の主要なリスクである。反応性に富んだホモシステインチオラクトンがリジン残基をアシル化することで、タンパク質にホモシステインが結合する(N-ホモシステイン化)。当研究室では正常人血清中にN-ホモシステイン化アポタンパクA1 (N-HcyアポA1)が存在することを報告した。アポA1分子内でN-Hcy化を受けたLys残基を同定することは, アポA1の機能への影響を検討するうえで重要である。本研究では、N-Hcy Lysを決定するための技術を確立し、正常人血清に応用することを目指した。 研究方法 : (1)チオール基含有ビーズ(以下ビーズ)により非修飾アポA1からN-HcyアポA1を分離し、等電点電気泳動法(IEF)で検出した。(2)ビーズ結合N-HcyアポA1を酵素消化し、N-Hcyペプチドを質量分析法により検出した(ビーズ上消化-質量分析法)。(3)MALDI TOF-MS/MSによりN-Hcyペプチドのアミノ酸配列を決定し、N-Hcy Lysを同定した。(4)ビーズにより正常人血清からN-HcyアポA1を分離し、IEFにより検出した。 研究成果 : (1)ビーズによりN-HcyアポA1を分離できた。これまで分離不能であったN-HcyアポA1を抽出・濃縮することが可能となった。(2)ビーズ上消化-質量分析法によりin vitroで生成したN-HcyアポA1由来のN-Hcyペプチドのマススペクトルを検出し、さらに(3)MALDI TOF-MS/MSによりN-Hcy Lysを同定することができた。本法により、非特異的なペプチドも検出してきた従来法と比べて、アポA1上のN-Hcy化位置を決定するための解析が飛躍的に簡便になった。(4)正常人血清からN-HcyアポA1をビーズにより抽出を行ったが、IEFで検出するに至っていない。
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Research Products
(1 results)