2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25930013
|
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
齊藤 久美子 生理学研究所, 技術課, 技術職員
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 脂肪酸 / ガスクロマトグラフィー |
Research Abstract |
本研究では、脳の脂肪酸代謝に食餌がどのような影響を与えるか、また脳のどの部位が影響を受けやすいのかを明らかにするために、マウス脳における脂肪酸組成がどのように変化するかを、ガスクロマトグラフィー(GC)分析により調べた。予備実験より食餌性肥満マウスの嗅球において、種々の脂肪酸にて増加傾向がみられた。そこで、食餌性肥満、絶食、通常食マウスの嗅球と大脳皮質に着目して脂肪酸量の変化を測定した。試料は、マイクロウエーブによる脳固定装置を使い、急速に脳固定をしたマウス脳組織を用いた。組織分画(大脳10-20㎎)は、ホモジナイズし、クロロホルム : メタノール抽出により脂肪酸を抽出した。内部標準として奇数炭素鎖hepadecanoic acid (C17:0)、tricosanoic acid (C23:0)を添加し、メチル化処理の後にGC分析、定量した。各脂肪酸は、組織重量(㎎)あたりの脂肪酸(㎍)に換算し比較した。結果は、嗅球と大脳皮質の部位間において大脳脂質のほうが、高い脂肪酸濃度を示した。脂肪酸ごとに食餌の違いでみると、C16:0とC18:0は、通常食で高くなり、高脂肪食を与えた食餌性肥満マウス脳では、低下傾向を示した。C18:1、C20:4は、食餌の違いによる大きな変化は、見られなかった。C20:3、C22:4は、検出されなかった。以上より、脳部位により脂肪酸蓄積が異なることがわかった。現在は、測定部位をさらに細かく分けて測定し、脳における脂肪酸の代謝、蓄積について食餌の違いによる変化を調べている。
|