2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25930015
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
志賀 真理 兵庫医科大学, 生理学(生体機能部門), 実験補助
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 中枢性化学受容体 / 周産期 / 呼吸性ニューロン |
Research Abstract |
研究目的 : 低酸素は末梢性化学受容体が感知して、中枢へ情報を伝達することで、呼吸促進が起こり、末梢性化学受容体からの入力を遮断すると、中枢側では呼吸抑制が起こることが知られている。従って低酸素は呼吸促進しないと思われてきた。しかし末梢からの入力がない標本を用いたラットにおいて、周産期(胎生18日齢(E18)~生後1日齢(P1))では、低酸素でも呼吸を促進できることが分かった。この研究では、末梢からの入力がなくとも新生期では中枢でO_2に対する感受性があることを示し、そのメカニズムを解明することである。 研究方法 : 深麻酔後の胎生・新生ラットから延髄-脊髄を摘出し、標本を作製する。標本はリンゲル液を還流させたチェンバー内に入れ、第4頸髄前根(C4)竃ガラス吸引電極で記録することにより呼吸活動をモニターする。C4活動と同時に、呼吸中枢が存在する延髄の吻側腹外側野から呼吸性ニューロンの細胞外記録を行う。呼吸リズム形成(Pre-I)ニューロンや吸息性ニューロン、呼息性ニューロンそして、持続性発火ニューロンの低酸素に対する反応性を調べた。呼吸性ニューロンの種類と発火頻度の変化を検討することにより、中枢性化学受容における低酸素応答の発達に伴う変化を検討する。 研究成果 : 低酸素負荷によってC4リズムが促進する現象において、持続性発火ニューロンとPre-Iニューロンの発火頻度は増加傾向にあり、吸息性ニューロンではバースト内の発火頻度の有意な変化がみられなかった。一方で、呼息性ニューロンのバースト内発火頻度は有意に減少傾向を示した。これらの結果から、周産期の低酸素受容における促進反応は、ニューロンネットワークのトーヌスの調節に持続性発火ニューロンが関与し、リズム促進にはPre-Iニューロンが関与して呼吸性ニューロンネットワークを調節している事が示唆された。
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Research Products
(4 results)