2013 Fiscal Year Annual Research Report
マウスにおけるアンジオテンシンIIタイプla受容体が骨格筋肥大に与える影響
Project/Area Number |
25930017
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
膳法 浩史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 技術補佐員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 過負荷 / リモデリング / 下肢 |
Research Abstract |
レニン-アンジオテンシン系は血圧調節に重要な経路であるが、骨格筋に与える影響については報告が少ない. 本研究は、アンジオテンシンIIタイプla (ATla)受容体欠損マウスを用いて, ATla受容体が骨格筋肥大に与える影響を明らかにすることを目的に検討した. 足底筋に対する表現型解析により、ATla受容体欠損マウスの筋重量、筋線維横断面積、および筋線維数は野生型マウスよりも有意に大きかった. また、筋線維タイプの解析では、ATla受容体欠損マウスの足底筋においてType IIx/b線維の割合が野生型よりも有意に高く、一方でType IIa線維の割合は低かった. 次に、足底筋に過負荷を与える筋肥大モデルを作成するため、共働筋である腓腹筋とヒラメ筋の部分切除手術を行い、14日後に足底筋の解析を行った. その結果、野生型の足底筋よりもATla受容体欠損マウスの筋の方が、筋重量や筋線維横断面積の増加が大きかった. そこで、筋肥大を起こした足底筋の遺伝子発現を解析したところ、MyoDやMyogeninのmRNA発現はATla受容体欠損マウスの方が野生型よりも高かった. しかしながら、Myf5のmRNA発現量において差は認められなかった。 以上の結果から、ATla受容体は骨格筋量を制御している要因の一つであると考えられた。今後は、高齢者が自立した生活を保つための加齢による筋量低下の抑制などに、レニン-アンジオテンシン系の制御が有効であるかどうかを検討する必要があるだろう.
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