2013 Fiscal Year Annual Research Report
ベーチェット病患者末梢血におけるインフリキシマブ濃度と制御性T細胞量に関する研究
Project/Area Number |
25930026
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川添 裕子 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | インフリキシマブ / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
本研究は、インフリキシマブ治療を行っているベーチェット病患者において、末梢血中の制御性T細胞量と臨床所見の関連を比較、解析する事を目的とした。当院眼科外来・ぶどう膜専門外来を受診しているインフリキシマブ点滴をしている患者中研究に同意を得られた患者9名と健常人10名の末梢血を採取した。インフリキシマブ点滴をしている患者からは、点滴前に採血をした。どの患者もインフリキシマブ注射を始めてから少なくとも4か月以上経過しており、9名内7名は注射開始から4年以上が経過していた。採血を行った9名の内、1年以内に眼炎症発作を起こしたのは1名だけであった。9名中4名が点滴期間の短縮、増量(点滴量5㎎/kg以上)等を行っていた。それぞれの末梢血からCD4陽性T細胞をMACS(細胞分離装置)を使用して分離した。分離したCD4陽性T細胞を、抗CD4抗体、CD4陽性CD25陽性T細胞(=制御性T細胞)のマーカーであるFoxP3抗体とで細胞内染色を行った。染色後Flow cytometryにてFoxP3陽性細胞の割合を測定した。健常人の末梢血中のFoxP3陽性細胞の割合の平均値は4.0%±1.1%、炎症を起こしていなかった8名の平均値は19.2%±4.5%、炎症を起こした1名は6.1%だった。点滴期間の短縮・増量を行った群と、行わなかった群でのFoxP3陽性細胞の割合に有意差は認めなかった。2010年の調査時に炎症発作のあった患者2名は今回の調査では炎症発作を起こしておらず、末梢血中のFoxP3陽性細胞の割合も3.50%→20.60%、7.40%→15.80%と上昇していた。 今回の研究期間内に、炎症発作を起こした患者が少なく、採血ができた患者が1名であり、また炎症を起こしていない群も9名と予定よりも少ない人数の検査しかできなかったため十分なデータが得られなかったがベーチェット病患者の抹消血では健常人と比べてFoxP3陽性細胞の割合が増加しており、末梢血中FoxP3陽性細胞の割合が高く維持されていると炎症発作は良くコントロールされるという仮説に矛盾しない結果であった。
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