2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25931008
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井上 博文 岡山大学, 医療技術部検査部門, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 超音波内視鏡検査(EUS-FNA) / BIOEVALUATOR[○!R] / 細胞診 |
Research Abstract |
【研究目的】 超音波内視鏡穿刺吸引検査(EUS-FNA)は消化管壁を通して超音波画像で腹腔内臓器をスクリーニング可能とし、その画像を通して病変部の一部を採取し病理学的根拠を得ることのできる患者侵襲を最小限に抑えた画期的な検査機器であるが採取される検体は小さく判別に苦慮することがしばしばある。そこで岡山大学では2009年8月より世界で初めてLEDライトを用いたEUS-FNA採取の検体識別機器(BIOEVALUATOR[○!R])を開発した。この機器は検体の識別に検体の色を利用したものである。本研究では検体に含まれる診断に有効な検体の色調を明らかにし主観的に行われていた判別法をより客観的にするための基礎的研究である。 【研究方法】 EUS-FNAで採取され、手術で病理学的な最終診断の得られた検体10症例を用いる。検体識別に用いる光色は白色、青、緑、光なしなどで確認する。また採取し細胞診標本を作成した部位は白色光で撮影した画像を用い画像処理ソフトのカラーピッカーを用い101ピクセル四方の平均したR, G, B値を調査する。サンプリング部位の3か所の平均と細胞診像の相関性を調査する。 【研究成果】 EUS-FNAで採取された検体を下部から1. なし、2. 白色光、3. シアン光、4. 緑色光で比較しとりわけ1,2を除く光色での観察が適した条件であった。カラーピッカーを用いた配光色の分布は血液成分のみの配光色は赤色光を主とするものであるが有核細胞成分では緑色光で約30%、青色光で40%の増加を見た。また壊死成分を豊富に含む部位では緑色、青色光双方で約20%の増加を見た。本研究で検体内に含む成分によって配光色に違いがあることを確認できた。しかし、撮影した検体には出血や粘液、検体の厚みに条件の違いがあり、今後その改善をする必要性を感じた。
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Research Products
(4 results)