2013 Fiscal Year Annual Research Report
口腔乾燥症患者における口腔ケアによる口腔症状改善度と口腔内細菌叢の変化の関連
Project/Area Number |
25931012
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
大鋸 優香 大分大学医学部附属病院, 医療技術部, 歯科衛生士
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 口腔乾燥 / 口腔ケア / 口腔細菌 |
Research Abstract |
口腔乾燥症患者において口腔細菌数が口腔症状評価の指標になりうるか否かを明らかにすることを目的とした。 口腔乾燥感を主訴として大分大学医学部附属病院歯科口腔外科を受診した患者5名(男性1名、女性4名)のうち女性4名を対象とした。主観的評価として口腔乾燥に伴う口内痛、口腔乾燥度、嚥下困難度、会話困難度をビジュアルアナログスケール(以下VAS)で評価した。客観的評価として唾液検査キット(オーラルケア社Dentocult)を使用して唾液流出量、緩衝能、細菌量(ミュータンスレンサ球菌、ラクトバチラス菌、口腔カンジダ菌、以下それぞれSM, LB, CA)、また舌苔付着量、プラークコントロールレコード(以下PCR値)を評価した。検査、評価の時期は一患者あたり、口腔ケア開始前(治療前)、開始後(治療後)の2ヶ月毎である。 口腔ケアの内容は歯周組織検査、歯石除去、機械的歯面清掃、ブラッシング指導である 主観的評価と客観的評価、各々について関連性を評価した結果、 1. プラーク中のSMとPCR値 口腔ケアでPCR値は減少するがプラーク中のSMの減少は認められなかった。PCR値とプラーク中のSMとの関連は認められなかった。 2. 唾液流出量と唾液中のSMとLB 口腔ケアで唾液量の変化は認められなかった。唾液流出量と唾液中のSM、LBに関連は認められなかった。 3. 唾液中のSM、LBと各症状 唾液中のSM減少で各症状の改善が認められた。 4. PCR値と唾液中のSM PCR値の減少で唾液中のSMの減少が認められた。 5. PCR値と各症状 PCR値の減少で各症状のVAS値の改善が認められた。 以上の結果をまとめると 口腔ケアによりPCR値, 唾液中SMは減少する。SM減少により口腔乾燥関連症状は改善傾向を示す。 よって唾液中のSMが口腔乾燥関連症状の指標になりうると考えられた。
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