2013 Fiscal Year Annual Research Report
新生児シリンジ輸血におけるM-sol置換血小板の有効性に関する検討
Project/Area Number |
25931020
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小嶋 俊介 信州大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 新生児 / シリンジ / M-sol |
Research Abstract |
新生児における輸血医療は、1回の輸血量や輸血速度が制限されており、塩化ビニル製の注射用シリンジを用いる分割輸血が主流となっている。止血を目的とする濃厚血小板製剤は、注射用シリンジではガス交換を行うことができず輸血効果の低下が危惧される。そこで、血小板の機能保持に優れているM-solという置換液を用いて調製される置換血小板に注目し、注射シリンジ内での血小板機能の変化について検討した。 サンプルは、院内にて廃棄となった日赤血の血小板製剤を使用し、置換群と非洗浄群とに分けてシリンジに分割し実施した。サンプリングは調製直後、1時間後、3時間後、6時間後に行い、pHや電解質といった性状変化と血小板の活性化を判断するCD62Pを中心とした機能変化について検討した。 pHの変化は、直後、6時間後において非洗浄群では、7.41±0.05、7.12±0.16であり、置換群では7.10土0.10、7.24±0.14であった。また、CD62Pの値についてはそれぞれ非洗浄群では、0.40%±0.20、5.20%±2.64であり、置換群では5.78%±2.10、6.23%±3.66であった。なお、本年度は廃棄の血小板が少なくn=3のみの検討であった。 検討数が少ないため結論は出せないが、非洗浄群は注射シリンジで保存することで徐々にpHが低下していき血小板が活性化していく傾向がみられた。それに対し、置換血小板群では、pHは緩衝作用により酸性に傾くことなく維持することができ、CD62Pにおいてもほぼ変わらない状態を維持できていた。引き続き本検討を行い、置換血小板調製が新生児輸血へ貢献できる可能性について検証する必要がある。
|