2013 Fiscal Year Annual Research Report
トランスフェクタント細胞を用いた抗血小板および抗顆粒球抗体検査法の確立
Project/Area Number |
25931045
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松橋 美佳 東京大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | HPA / HNA / トランスフェクタント細胞 |
Research Abstract |
(目的) 血小板特異抗原(HP A ; Human platelet antigen)に対する同種抗体は、血小板輸血不応や新生児血小板減少症などの原因となる。一方、顆粒球抗原(HNA、Human neutrophil antigen)に対する同種抗体は重篤な輸血副作用である輸血関連急性肺障害の発症に関与することから、HPA及びHNA抗体の検出は、これらの病態の診断・予防に不可欠である。現在、様々なHPA・HNA抗体検査法があるが、いずれもボランティアドナーから採取した新鮮な血小板または顆粒球を必要とするという短所を有す。また、被検血清中に共存する他の同種抗体(HLA抗体など)の影響により、抗体特異性判定が困難のこともある。本研究では、上記問題の解決を目指し、目的の抗原のみを強発現する安定なトランスフェクタント細胞を用いた抗体検査法の確立を目的とした。 (計画) 1)ヒト正常血清との非特異反応の低いヒト白血病細胞株(親株)を選択する。 2)ボランティアドナー全血より目的のHPA及びHNA型のRNAを抽出し、cDNAを作製する。このcDNAから各種HPA及びHNAのcDNAをRT-PCRで増幅し、プラスミドにクローニングする。塩基配列を確認後、レトロウイルスベクターにのせかえる。 3)パッケージング細胞に上記のHPAおよびHNA発現レトロウイルスベクターを導入し、レトロウイルスを作製する。このウイルスを1)で選択した細胞に感染させ、目的のHPA及びHNA導入細胞とする。 4)HPAまたはHNA高発現細胞株に抗体特異性既知血清を反応させ、抗体検出方法の条件設定を行う。 (成果) 数種の白血病細胞とヒト正常血清との反応性を確認し、非特異反応の低いパネル細胞株1種を選択した。また、数種(HPA-1、-4、-6、-15、CD36)のHPA遺伝子導入ベクターを作製することが出来た。今後、このベクターから遺伝子導入用組み換えウイルスを作製し、HPA遺伝子導入細胞を作製する予定である。その後、全てのHPA型及びHNA型の遺伝子導入細胞作製していく予定である。
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