2013 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いた下肢末梢血流量の非侵襲的定量解析法の開発
Project/Area Number |
25931047
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山下 栄二郎 国立大学法人 鳥取大学, 医学部附属病院, 主任診療放射線技師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | MRI / 下肢末梢血行動態 / 非造影灌流画像 |
Research Abstract |
1. 研究の概要 非造影灌流画像の撮像パラメータの最適化と臨床的有用性の評価を以下の項目にしたがって行った。 1-1. 模擬血管ファントムによる撮像パラメータの最適化 1-2. 健常ボランティアによる撮像パラメータの検証 1-3. 下肢閉塞性動脈硬化症の診断目的で下肢末梢部の撮像をした14症例における臨床的有用性の評価 2. 結果 2-1. ラベリング位置とスライスの距離は、ラベリング幅を130mmにした場合、2.5mmで模擬血管内の信号値が高値を示した。また、信号取集時の角度は、スライス面に対し模擬血管が垂直方向から離れるしたがって信号値は低下した。但し、本実験では、定常流によるもので拍動の影響は加味されていない。 2-2. 上記より得られた撮像条件にて下肢末梢部の撮像を行った。その結果、報告されている流速と同様な値が得られた。但し、流速は次式(1)より算出した。 流速 : 血液移動距離/移動時間…(1) ・血液移動距離 : ラベリング幅/2+ラベリング幅×ラベリングとスライス間のギャップ(%) ・移動時間 : labeling delay time+interval time×到達スライス番号 2-3. 血行動態に左右差や流速に遅延が生じた10症例中9症例でMRAにて上部に閉塞や狭窄が確認された。 3. まとめ 本撮像法によれば非侵襲的に血行動態の可視化が可能であり、下肢閉塞性動脈硬化症などのスクリーニングに有用である. また、組織灌流の評価については、今後高磁場MRI装置を含め検討する必要がある。 4. その他(情報収集の概要) 非造影灌流画像で活発な研究を行い、自施設と同等のMRIを所有している札幌医科大学にて情報収集を行った。調査目的は、高磁場MRIでの有用性である。その結果、高磁場の高いSNRは、微細な変化を捉えやすいものの、ラベリング位置により過大・過小評価する場合があり、当施設と同様な問題点を抱えていることが分かった。
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Research Products
(3 results)