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2013 Fiscal Year Annual Research Report

赤芽球脱核のメカニズム解明に関する研究

Research Project

Project/Area Number 25931048
Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

山下 順助  秋田大学, 大学院医学系研究科, 総括技術長

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2014-03-31
Keywords赤芽球 / 脱核 / ATP
Research Abstract

方法 : ヒト赤芽球のin vitro培養系を用い、培養7日目(CFU-E : Day7)から培養13日目(Day13)の脱核・網状赤血球に至るプロセスでの細胞形態変化と細胞内のATP量とATP産生に関係する分子(酵素など)の発現量を定量的に解析した。定量PCRとウェスタンブロット(WB)の内部コントロールは、それぞれ28SリボソームRNAとαチューブリンを用いた。
結果 : ①既報と同様に、Day7からDay13の脱核にむけて分化が進むとともに、細胞の小型化、核濃縮が観察され、Day13に脱核が観察された。②定量PCR法による低酸素誘導因子(hypoxia inducible factor α : HIFα)のmRNA及び蛋白質の相対量は、Day7から脱核に向けて上昇した。③ピルビン酸脱水素酵素(PDH)のリン酸化酵素(PDK)には4種類のアイソザイムが知られているが、ヒト赤芽球ではPDK1とPDK4がHIFαの上昇に伴って有意に上昇した。④抗PDH抗体及び抗PDHリン酸化部位特異抗体を用いて、赤芽球のPDHは脱核に至るまで相対的にリン酸化されている度合いが上昇した。この変化は、PDKの発現と一致していた。⑤細胞内ATP量は、Day7からDay13に向けて減少した。一方、GLUT1(グルコーストランスポーター)の発現は上昇した。⑥乳酸脱水素酵素アイソザイムLDHAの発現はmRNA及び蛋白質レベルで、Day13において増加の傾向が見られた。
結論 : 以上の結果より、赤芽球では、骨髄の低酸素環境下(約~7%)において常時産生されるHIFαの分解が抑制され、核内のHIFβと結合してPDK1及びPDK4を発現させることでPDHをリン酸化して、好気的なミトコンドリアでのATP産生を抑制し、嫌気的解糖系によりATPを合成・獲得していることが示唆された。骨髄の低酸素環境内では嫌気的解糖系により、エネルギーを得ていることが明らかになった。

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Published: 2015-07-15  

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