2013 Fiscal Year Annual Research Report
デスメ膜非剥離角膜内皮移植術(nDSAEK)後における角膜および視機能の解析
Project/Area Number |
25931057
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Research Institution | やわたメディカルセンター |
Principal Investigator |
正木 利憲 金沢大学, 医学系, 協力研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | nDSAEK / trabeculectomy / 角膜内皮移植 |
Research Abstract |
本年度は、線維柱体切除術(trabeculectomy)施行後の濾過胞眼症例に対する角膜内皮移植術(nDSAEK)術後の他覚的視機能の解析を行った。nDSAEK施行後の濾過胞眼症例10眼と非濾過胞限症例51眼を対象とし、術中術後合併症の有無や種類、術後視力と角膜内皮細胞密度(術後6ヶ月、1年、2年)について比較検討した。10眼中2眼は術後1年~2年の間に再移植を必要とした。濾過胞眼症例の平均角膜内皮細胞密度(/㎟)は、術前2877 (n=10)、術後6ヶ月2422 (16%減少、n=10)、術後1年1947 (33%減少、n=10)、術後2年1225 (60%減少、n=8)であり、非濾過胞眼症例(n=51)では、術前2827、術後6ヶ月2189 (23%減少)、術後1年1991 (30%減少)、術後2年1717 (39%減少)であった。非濾過胞眼症例(51例)と比較して、術前、術後6か月、術後1年では2群間に有意差はみられなかったが、術後2年では2群間に有意差がみられた。濾過胞眼症例の平均矯正視力LogMARは、術前0.88LogMAR (n=10)、術後6ヶ月0.50LogMAR (n=10)、術後1年0.45LogMAR (n=10)、術後2年0.44LogMAR (n=8)であり、非濾過胞眼症例(n=51)では. 術前1.03LogMAR、術後6ヶ月0.30LogMAR、術後1年0.28LogMAR、術後2年0.25LogMARであった。非濾過胞眼症例(51例)と比較して、平均矯正視力LogMARは全期間において両群間に有意差はみられなかった。濾過胞眼症例に対してのnDSABKの術後中期成績は、術後2年で約60%の内皮細胞の減少があり、約20%で再移植を必要としたことから、今後も長期に渡りさらに臨床成績が悪化する可能性があると示唆された。
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