2013 Fiscal Year Annual Research Report
動きのアナロゴンの観点を取り入れた体つくり運動の教材開発~キンボールを通して~
Project/Area Number |
25934011
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
湯浅 理枝 広島大学, 附属三原小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 落下点に入る / ボール操作 / 類似運動 |
Research Abstract |
本研究では主運動(ボール運動)に意欲的に取り組むことが出来るように, キンボールを通して, 「ボールの落下点に素早く入り込みキャッチする」というボール操作の基本的な技能を習得することを大きな目的とした。 今年度は小学校5年生を対象に検証授業を行った。授業では, ソフトバレーボールを「弾く」動きを正確に行うために, ボールの真正面に入ることや落ちてくるボールに対してボールの真下に自分の体を入れてキャッチすることに視点を当てて授業を進めていった。小さなボールであるソフトバレーボールを弾く時に, しっかり正面でボールをとらえることが出来ず, 対面でレシーブを行っても, 10回以上ラリーが続いたチームは20組中2組だけであった。そこで, キンボールを用い, 「できるだけ落とさないように素早くボールの下に入る」を課題にゲームを行った。キンボールは大きく滞空時間が長い。また, 一人では扱うことが出来ないので, 必ず2人でペアになりキャッチすることになる。ボールの真下に入るという感覚, 動き出しのタイミングがつかみにくい子どもも, ペアの友だちにタイミングをあわせることで上達していき, 夢中になって運動していた。その後, ソフトバレーボールを使って対面でレシーブを行うと10回以上ラリーが続いたチームは20組中15組まで増えていた。 ラリーがだいぶ続くようになったので, 3段攻撃で効果的に攻めることを視点に, ソフトバレーのゲーム形式で授業を進めていった。ゲームを行っても, ファーストレシーブでボールの落下点に入れずに床に落ちるというシーンはほとんど見られなかった。トスの部分はしっかりアタックにつなぐことが出来るように, キャッチを入れたが, 「レシーブ→トス(キャッチ・投げあげ)→アタック」のリズムでゲームを行い, どのチームもラリーを続けながら, ゲームを楽しむことが出来ていた。 このことから, ソフトバレーボールに必要なレシーブの動きに必要な「ボールの落下点に入ってキャッチする」ことを意識しながらキンボールを用いて類似運動を経験させたことにより, レシーブの技能が向上し, ソフトバレーボールのおもしろさでもある『ラリーを続ける』『三段攻撃』に挑戦し, ゲームを行うことができていたと考える。 今年度は, 「有効空間を見つけて攻撃をする」という, ゴール型のゲームにつながる視点では検証授業を行うことが出来なかった。次年度以降の課題としたい。
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