2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25934014
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
大竹 祐子 文京学院大学, スポーツマネジメント研究所, 研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 足趾機能 / 足圧中心立置 / 中高齢者 |
Research Abstract |
中高齢者の足趾屈曲動作と筋活動・足圧中心位置(COP位置)について調べその関係について検討した。 【方法】 三次元動作解析装置・床反力計(圧分圧計)・表面筋電を用いて, 中高齢者21名(男性9名、女性12名)の足趾屈曲動作と静止立位時・体重前方移動時の足趾屈曲筋の筋活動・COP位置の計測を行った. 長座位にて「趾節間関節を伸展させたまま中足趾節関節を屈曲」させ, 第2趾の動きを計算し、足趾屈曲角度および課題遂行度を表す値IPF値を算出した。同時に第1背側骨間筋の筋活動を計測した。次に安静立位保持と前方体重移動を行い、右足のCOP位置を算出した。 解析にはデータの欠落のない13名のデータを使用し、ピアソンの積率相関分析を用いてIPF値・筋電図値・COP位置の関係について、危険率5%未満として検定を行った。 【結果】 1、安静立位時のCOP位置は踵から足長の41.1%、最大前方位置は81.0%であった。 2、安静立位時の背側骨間筋の筋活動は36.2%(%MVC)、足趾屈曲時は70.0%であった。 3、足趾屈曲角度・IPF値は筋活動・COP位置とは有意な相関がなかった。足趾屈曲のMVC値と安静立位時のCOP位置、最大前方移動時のCOP位置に有意な相関があった(p=0.04)。 中高齢者はバランス戦略の個人差が大きかった。これまでの研究と比較して、若年成人は足趾屈曲能力が静的バランスに影響しているのに対し、中高齢者は足趾屈曲筋力が動的バランスに影響しており、バランス保持に寄与する足趾の役割が若年成人と異なることが分かった。中高齢者のバランスには足趾屈曲の質的側面より量的側面が影響を及ぼしている可能性が示唆された。この研究により中高齢者における足趾機能とバランスとの関係の解明に向けての第一歩が踏み出せ、今後の中高齢者の転倒予防やロコモティブシンドロームの予防などに役立つ知見を得たと言える。
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