Project/Area Number |
26000010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中野 義昭 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (50183885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種村 拓夫 東京大学, 大学院工学系研究科, 准教授 (90447425)
杉山 正和 東京大学, 大学院工学系研究科, 准教授 (90323534)
小関 泰之 東京大学, 大学院工学系研究科, 准教授 (60437374)
肥後 昭男 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (60451895)
久保田 雅則 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教 (80447424)
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Project Period (FY) |
2014-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 集積フォトニクス / 光集積回路 / 半導体 / アダプティブ / モノリシック / 光波合成 / ユニタリ変換 / 偏波制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)偏波制御器の設計と試作 アダプティブ光波合成回路の実現に向けて, 偏波状態の制御が必要となる. そこで, ハーフリッジ型導波路構造を用いた偏波制御器を新たに提案し, 設計と試作を行った. ハーフリッジ型偏波変換部において入力光を円偏波に変換し, 偏波依存型位相変調器に印加電圧を加えることで, 任意の偏波状態を出力する. 二つの電極への印加電圧を調整することで, ポアンカレ球面上の任意の偏波状態に変換できることを実証した. 一方, 上記の実験では, InGaAsPバルク結晶のポッケルス効果とフランツケルディッシュ効果を用いたが, 目的とするアダプティブ光波合成回路上に実装する上で, 十分な変調効率が得られないことが明らかになった. そこで, 効率の改善に向けて, 量子井戸構造を導入した新規構造の設計を開始し, 数値解析と素子の試作を進めているところである. (2)垂直方向光結合器の設計と試作 アダプティブ光波合成回路を実現する上で不可欠となるもう一つの要素技術, 垂直方向光結合器について, 各種方式の検討を行った. 当初計画では, 斜めドライエッチングによる作製手法を検討していたが, 均一性と再現性の観点から, 大規模光回路の作製には適さないことが明らかになった. そこで方針を変更し, 塩酸とリン酸を組み合わせたウェットエッチプロセスによって45°ミラーを形成する手法を検証した. プロセス条件の最適化, および, 反射特性の数値シミュレーションにおいて良好な結果が得られている. 現在, 垂直結合器の試作を進めているところである. (3)光波合成チップの設計と評価系の整備 (1), (2)の結果を基に5×5二次元光波合成チップの設計を行い, レイアウト設計をほぼ完了した. 並行して, 作製したチップを適切に評価するための測定系の準備を進めている. 近視野像と遠視野像を同時に測定できる光学系を構築し, 一次元フェーズアレイチップを用いた予備実験を行った, 簡単な一次元ビームスキャン実験を試み, 応答時間が計測できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度中に目標としていた偏波制御器の開発に関して, 当初計画以上に順調に研究が進展し, 平成26年度前半に既に, 素子の設計, 試作, 原理検証実験に成功した. そこで, 平成26年度以降に実施予定であった偏波制御器の高性能化, および, 能動光素子とのモノリシック集積化を, 平成26年度中に前倒しで開始することとした. これらの開発項目を実施する上で, 微細導波路構造加工のための電子線描画装置の早期購入が必須となり, そのために計上していた研究費を前倒しで使用した. 平成27年1~2月に本体装置の納品・設置・立ち上げを行い, 同3月に電子線描画プロセスの条件出しを開始した. 平成26年度中に基本となる描画条件の抽出と検収を完了しており, 現在プロセスの改良にあたっている. この結果として, 微細導波路構造加工技術, および能動素子モノリシック集積技術に対する問題点を早期に洗い出し, 平成27年度以降に, 十分に時間をかけてこれらの問題に対処することが可能になった.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では, 塩素ガス系ドライエッチングプロセスにより斜め反射鏡を作製することを検討していた. 傾斜ホルダー上にInP基板を固定し, 誘導性結合プラズマ反応性イオンエッチング(ICP-RIE)装置を用いてエッチングすることで, 所望の角度の傾斜面を形成できることを期待した. しかし実際に検証を進める中で, この方法では, 傾斜ホルダー上の位置によってプラズマ密度が異なってしまうため, 大規模な光回路を面内均一性良く作製するのは困難であることが明らかになった. この問題に対して再検討を行った結果, 次の二つの代替案に至った. 第一の案は, ウェットエッチングプロセスを用いる方法であり, 塩酸/リン酸の濃度比と光導波路の方位を適切に選ぶことで, 精度良く所望の傾斜面が得られることを確かめた. 今後, 光導波路との集積を行うことで, 二次元アレイが作製できると期待している. 並行して第二の案として, 市販されている石英ガラス三次元光導波路チップを用いることでInP光回路端面からの一次元アレイ出力を二次元アレイに変換する方法を検討している. 平成26年度中に三次元光導波路構造の設計を行い, 特注チップの購入を済ませた. 本方式を用いることで, 効率良く二次元アレイ化が達成できると期待している. 今後, 上記二つの案を比較した上で最適な方法を採用することで, 当初目標が達成できる見込みである. また, 光波合成チップとレーザとのモノリシック集積に向けて, オフセット量子井戸手法を用いた作製プロセスの開発を行っている. 垂直なエッチング形状を作製するための高密度プラズマエッチング装置を新規で購入した. 平成27年3月に納品を済ませ, 基本プロセスの条件出しが完了したところである. 今後, 各素子の構造に合わせて条件を詰めることで, 当初目標が達成できる見込みである. 上記高密度プラズマエッチング装置を新規購入した結果, 垂直なエッチミラーを実現できる見通しが立った. そこで, 当初計画を見直し, 曲げ光導波路の代りに急峻なエッチミラーを用いた光回路を検討している. 現在, 光回路レイアウトがほぼ完成し, 試作プロセスを開始した段階である. 今後, 作製プロセスを詰めることで, 当初目標を達成する見込みである.
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