2017 Fiscal Year Annual Research Report
半導体モノリシック光波合成・任意ユニタリ変換光集積回路の創出
Project/Area Number |
26000010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中野 義昭 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授
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Project Period (FY) |
2014 – 2018
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Keywords | 集積フォトニクス / 光集積回路 / 半導体 / アダブティブ / モノリシック / 光波合成 / ユニタリ変換 / 偏波制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 量子井戸型偏波制御器の設計と試作 前年度に開発した量子井戸型偏波制御器の高速化と省電力化を図るために, 逆バイアス駆動により量子閉じ込めシュタルク効果を用いた変調素子を試作実証した. 並行して, さらなる高性能化に向けて量子構造の最適化を進めている. (2) 偏波解析素子の設計と試作 前年度に作製した量子井戸型受光素子を搭載した完全にモノリシックな集積回路を評価し, ポアンカレ球面上の任意の偏波状態を検出できることを実証した. さらに, 高感度化に向けて, 4ポート構成を新たに提案し, 素子パラメータの設計を完了した. 現在, 4ポート素子の作製を進めている. (3) 光波合成チップの設計と試作 前年度に提案したランダム信号を用いた駆動手法を大規模光波合成チップに適用し, その有効性を実験的に検証した. 同時に, 2次元化に向けて, 回折格子カプラを集積した素子の試作を行った. これらの素子の応用の一つとして, 2次元イメージング実験を進めている. (4) ユニタリ変換チップの設計 前年度に作製した3×3ユニタリ変換チップを用いて, 任意光ユニタリ変換機能を実験的に検証した. 並行して, 作製誤差に対して耐性のある新規構造の素子を完成させ, 評価を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度中に目標としていた偏波制御器と偏波解析器の高性能化については, 概ね予定通り成果が得られている. 特に, 高速偏波変調方式に応用できる可能性が得られたのは, 当初計画していた以上の成果である. また, 光波合成素子に関しては, 前年度までに考案したランダム信号を用いて駆動する手法が, 大規模回路において有効に機能することを実証している. 今後2次元アレイに展開することで, 光イメージングへの応用実験を行う予定である. 一方, ユニタリ変換素子については, 前年度に数値解析により実証した干渉計型カプラを用いた新規構成の素子試作が完了し, 実験的に検証することに成功している. 作製誤差耐性の高い新規構造と10×10素子の設計と試作も終えており, 順調に開発が進むと見込んでいる. 以上の結果として, 各種大規模光回路の試作から評価までのプロセスを円滑に進められる環境が整っている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に設計した4ポート型偏波解析回路の作製と実証を行う. さらに, 量子井戸偏波変調器の素子構造を改良し, 高速かつ高効率動作を実証する. 光波合成回路に関しては, 提案したランダム駆動手法が大規模な1次元光波合成素子に対しても有効に機能することが明らかになったので, 回折格子を用いることで2次元光イメージングを実証する. さらに, 電流注入型素子を用いた高速化, および, 光増幅器集積型素子を用いた高出力化を目指す. ユニタリ変換素子に関しては, 3×3回路を用いた実証実験に成功したので, 大規模化と高速化を目指す. さらに, 作製誤差に対して耐性のある新規構造について, その有効性を実証する. 以上により, 光波合成回路およびユニタリ変換回路を完成させる予定である.
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Research Products
(40 results)