2014 Fiscal Year Annual Research Report
ものづくりHPCアプリケーションのエクサスケールへの進化
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26220002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (00184036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 知弘 京都工芸繊維大学, 大学院工芸科学研究科, 准教授 (50294260)
滝沢 研二 早稲田大学, 高等研究所, 准教授 (60415809)
森口 周二 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (20447527)
下川辺 隆史 東京工業大学, 学術国際情報センター, 助教 (40636049)
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Project Period (FY) |
2014-05-30 – 2019-03-31
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Keywords | ものづくり / Time to Solution / 陽解法 / 非圧縮性流体計算 / 格子ボルツマン法 / 粒子計算 DEM/SPH / GPU |
Outline of Annual Research Achievements |
エクサスケール・スパコンをある程度の範囲で想定し、プロセッサ単体、ノード内構成、ノード間通信性能の詳細な項目のスペックを設定した。改良型ルーフライン・モデルよりさらにキャッシュなどの様々なローカルメモリの影響を考慮した単一ノードに対するパフォーマンス・モデルへと発展させた。加えてノード間通信性能をモデルに組み込み、アプリケーションで用いる数値計算手法のプロセッサ演算密度(不動小数点演算回数/メモリアクセスのデータ量)と、それから算出されるノード演算密度(ノード内実行性能/ノード間通信のデータ量)をモデルのキー・パラメータとし、2011年にゴードンベル賞を受賞したフェーズフィールド計算のアプリケーションに適用に、Time to Solutionを予測した。 ものづくり分野で広く利用される非圧縮性流体シミュレーションにおいて、陰解法や半陰解法から脱却し、大規模連立一次方程式の疎行列を解かない陽的時間積分の手法を探査した。疎行列解法の反復回数と陽解法の細かい時間刻みによるステップ数の増加を演算密度・ノード間通信量などを調べ、同じ問題に対して半陰解法と完全陽解法のTime to Solutionの比較を行った。また、SPH法などの粒子法と格子法を直接比較し、同じ計算自由度(粒子数・格子点数)に対して、得られる計算精度、演算密度、メモリアクセス・パターン、ノード間通信を詳細に検討し、Time to Solutionを検証した。 完全陽解法である格子ボルツマン法をもとづくり計算に適用するため、物体近傍や複雑形状の境界近傍に細かい格子を配置するAMR法をD3Q27型格子ボルツマン法に適用した。AMRのリーフでの実行性能を向上させるためのC++テンプレートによるGPUカーネル関数生成を試し、Naïveな実装に対して10倍以上の高速化を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
非圧縮性流体の陽解法を開発し、気液二相流の計算に適用した。また、それらのGPUスパコンでの実装も行った。 粒子法では、DEM法のみならずSPHにも空間充填曲線を用いた動的負荷分散手法を広げ、計画を上回っている。また、非球形の粒子に対する大規模粉体シミュレーションも可能になり、DEM法のメモリアクセスを変えることによる高速化手法を開発し、論文投稿した。さらに、粒子法による流体構造連成問題についても予備計算を行い、平成27年6月の日本計算工学会で発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画をさらに前倒しで進め、当初予定しているアプリケーション以外にも発展させる。 本研究に関係する大学院博士課程・修士課程の学生が極めて優秀であり、平成27年度はポスドクの雇用人数を減らし、研究計画後半での雇用を増やしたい。
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Research Products
(82 results)