2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26220202
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松本 淳 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (80165894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 茂 大阪大学, 文学研究科, 名誉教授 (30087150)
寺尾 徹 香川大学, 教育学部, 教授 (30303910)
山本 晴彦 山口大学, 農学部, 教授 (40263800)
釜堀 弘隆 気象庁気象研究所, その他部局等, その他 (40354469)
久保田 尚之 独立行政法人海洋研究開発機構, その他部局等, 研究員 (40359211)
赤坂 郁美 専修大学, 文学部, 講師 (40574140)
村田 文絵 高知大学, 自然科学系, 講師 (60399326)
藤波 初木 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教 (60402559)
山根 悠介 常葉大学, 教育学部, 講師 (10467433)
福島 あずさ 神戸学院大学, 人文学部, 講師 (40634209)
加藤 内藏進 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90191981)
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Project Period (FY) |
2014-05-30 – 2019-03-31
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Keywords | モンスーンアジア / 気候変動 / 豪雨 / データレスキュー / 台風 / 極端気象 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Outline of Annual Research Achievements |
アジアモンスーン地域における紙媒体での降水量ほかの気象資料について、戦前・戦中期を中心に、米国議会図書館、気象庁図書館、インド熱帯気象研究所、オランダ気象研究所等での所在を調査し、可能なものからデータの画像化、デジタル化を進めた。また国際地球大気循環復元計画(ACRE)の関係者との接触を開始し、国際的動向について調査した。 旧日本統治領の台湾、朝鮮、千島、樺太、満州については、1901-1941年のデータセットを完成させた。日本に上陸した台風については、気象庁の台風経路データセットが作成されていない1951年以前に関し、台風経路データを復元した気象資料をもとに、1900-1959年の日本本土への台風上陸数の長期変動を明らかにした。ベトナムでは、20世紀前半期の降水量変化について解析した。フィリピンにおいては、1911年以降の極端降雨の長期変化と地球温暖化・ENSOとの関係を解明し、マニラにおける1868~2012年の雨季入り・雨季明けの決定を行った。 戦後期においては、東南アジア地域における極端降雨の長期変化と地球温暖化・ENSOとの関係を解明との関係を広域的に解明したほか、タイにおけるプレモンスーン季と夏季モンスーン季の降水量の長期変動のメカニズムや、東南アジアにおける冬季モンスーン季の豪雨発生機構、インドネシアにおける極端降雨とENSOとの関係を解明した。南アジアでは、夏季降水量の季節内変動の卓越周期と夏季総降水量の年々変動、世界最多雨地チェラプンジの降水と広域的なインドモンスーンとの関係、ベンガル湾における、河川から流入する淡水に影響を受けた独特な海面水温の変動メカニズムを解明した。また日本においては、東アジアの季節サイクルを特徴づける大雨の質の多様性や季節の変わり目に注目した解析を行い、長期気候変化を調べる際に注目すべき視点を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
世界各地で進めた紙媒体での降水量ほかの気象資料の取得について、アメリカ国際地球大気循環復元計画(ACRE)議会図書館アジア部日本課での担当職員の異動に伴い、当初予定していた協力が得られなくなり、当該機関での調査に大幅な支障が生じ、研究費の繰越使用を余儀なくされた。またインド熱帯気象学研究所でのデータの写真撮影に際しては、インド気象局の許可が必要であることが判明し、その許可の取得に多くの時間をとられることとなり、資料の取得やデジタル化に一部遅れが生じた。マレーシアにおいても現地気象機関との協力が進まなかった。 他方で、許可が不要なデータのデジタル化や、国際地球大気循環復元計画(ACRE)との連携の開始については、順調に進めることができた。 また、既存のデータやこれまでに進めたデータレスキュー資料によるアジアモンスーン域における降水や極端降水、モンスーン入り・明けの長期変化については、順調に研究が進み、成果を国際誌等に公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度中には、遅れが生じた原因となったアメリカ合衆国議会図書館での資料収集活動、インド気象局からのデータ撮影許可などの諸問題を解決し、資料収集活動に生じた遅れを挽回していく。画像データ化が完了したデータから順次コンピュータ入力するデジタル化および品質チェックを進める。これまでに訪問していないデータ所蔵機関を尋ね、未発見の紙媒体での気象資料の発見に努める。 既存データセットおよび本研究で得られたデータを順次使用し、地域的なアジアモンスーンの長期変動の実態を解明すると共に、特に極端気象の発現機構やエルニーニョ等の大気・海洋相互作用の長期変化との関係の解明を進めていく。 国際地球大気循環復元計画(ACRE)等との連携を強化し、国際的な共同研究の推進を模索していく。
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Research Products
(64 results)
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[Presentation] ENSO and MJO influence on heavy rainfalls in Central Vietnam.2014
Author(s)
Matsumoto, J., Ogino, S. Y., Endo, N., Wu, P.M., Villafuerte, M.Q., Chen, T.C. and Tsay, J.D.
Organizer
The 2nd ANCST Workshop on "Atmosphere-Ocean Interactions in the Indo-Pacific Basin and Their Impact on Asian Climate"
Place of Presentation
バンガロール(インド)
Year and Date
2014-11-23 – 2014-11-24
Int'l Joint Research
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[Presentation] 大気海洋150年再解析2014
Author(s)
石井 正好, 建部洋晶, 小山博司, Kartika Lestari, 野津雅人, 久保田 尚之, 時長宏樹, 小野純
Organizer
データレスキュー及び100年再解析研究に関するミニワークショップ
Place of Presentation
東京大学(東京都文京区)
Year and Date
2014-09-09 – 2014-09-09
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[Presentation] Effects of the Asian winter monsoon on the interannual rainfall variability over the Indonesian maritime continent.2014
Author(s)
Hamada, J. I., Hattori, M., Wu, P.-M., Mori, S., Matsumoto, J., Yamanaka, M. D. Haryoko, U., Lestari, S. and Syamsudin, F.
Organizer
2014 Asia Oceania Geosciences Society (AOGS) 11th Annual Meeting
Place of Presentation
ロイトンホテル(北海道札幌市)
Year and Date
2014-07-28 – 2014-08-01
Int'l Joint Research
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[Presentation] Asian monsoon hydroclimate.2014
Author(s)
Matsumoto, J., Wu, P.-M., Endo, N., Ogino, S.Y., Hattori, M., Mori, S., Yamanaka, M.D. and Syamsudin, F.
Organizer
2014 Asia Oceania Geosciences Society (AOGS) 11th Annual Meeting
Place of Presentation
ロイトンホテル(北海道札幌市)
Year and Date
2014-07-28 – 2014-07-31
Int'l Joint Research
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[Presentation] MAHASRI and AMY.2014
Author(s)
Matsumoto, J., Wang, B., Wu, G.-X., Li, J., Mori, S., Yamanaka, M.D., Wu, P.-M., Oki, T., Kanae, S., Asanuma, J., Ailikun, B., Yoshimura, K., Koike, T., Tamagawa, K., Ikoma, E., Kinutani, H., Kamahori, H., Kamiguchi, K. and Wang, D.
Organizer
The 7th International Scientific Conference on the Global Water and Energy Cycle
Place of Presentation
ハーグ(オランダ)
Year and Date
2014-07-14 – 2014-07-17
Int'l Joint Research
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