2016 Fiscal Year Annual Research Report
Researching the collection and utilization of overseas Japan-related sources through multi-archival methods.
Project/Area Number |
26220402
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保谷 徹 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60195518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 洋子 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00181686)
柴山 守 京都大学, 国際戦略本部, 研究員 (10162645)
谷本 晃久 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (20306525)
佐藤 雄介 東京大学, 史料編纂所, 助教 (20624307)
岡 美穂子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (30361653)
五百籏頭 薫 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40282537)
原 正一郎 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (50218616)
原山 浩介 国立歴史民俗博物館, 歴史研究系, 准教授 (50413894)
須田 牧子 東京大学, 史料編纂所, 助教 (60431798)
小野 将 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (70272507)
山田 太造 東京大学, 史料編纂所, 助教 (70413937)
横山 伊徳 東京大学, 史料編纂所, 教授 (90143536)
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Project Period (FY) |
2014-05-30 – 2019-03-31
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Keywords | 日本史 / 海外史料 / 歴史情報学 / デジタルアーカイヴ / 研究資源化 / 対外関係史 / 外交史 / 社会連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、東京大学史料編纂所の海外史料マイクロフィルム約150万コマ等をデジタルアーカイヴ化し、国内採訪史料とともに学術資源として閲覧公開をはかる。また、在外日本関係史料の調査・収集を進め、マルチリンガル、マルチアーカイヴァルなプロジェクト研究を推進する。①デジタルアーカイヴ構築研究を進め、海外マイクロの約7割(107万コマ)の目録付与・登録作業を完了し、ほかに高田屋嘉兵衛家関係文書、正・続通信全覧、外交公文、モンスーン文書、ハワイ州立文書館史料、中国第一歴史档案館日本関係档案など37万件を新規登録して公開に供した。②社会連携の試みとして、横浜開港資料館所蔵FO46マイクロフィルム(約16万コマ)をデジタルアーカイヴに加え東京大学史料編纂所と双方でのFO46全体の検索・閲覧を可能とした。③ロシア国立歴史文書館長らを招聘した「日露関係史料をめぐる国際研究集会」を日本学士院・東京大学史料編纂所で共催した(5月、東京本郷)、④ロシア国立海軍文書館所蔵日本関係史料解説目録2の翻訳作業を完了した。⑤北海道大学アイヌ・先住民研究センター主催で「日露国際研究集会」(7月、札幌)を開催した。⑥倭寇図像研究の一環として、須田牧子編『「倭寇図巻」「抗倭図巻」をよむ』(4月)を刊行した。⑦日本関係史料の調査研究プロジェクトを実施。在独史料画像データ約8万コマ分を受理し、さらにプロイセン枢密文書館所蔵史料を追加収集した。1640年のマカオ使節が処刑された事件報告書を含むポルトガル国立考古学博物館所蔵史料約2000コマのデジタル撮影データ等を新たに入手した。⑧東アジア史料研究編纂機関学術会議第5回会議(11月、東京本郷)に参加・報告したほか、米国アジア学会(4月)、EAJRS第27回日本資料専門家欧州協会ブカレスト大会(9月)、ロシア国立経済高等大学での国際シンポ(10月)等に参加・報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①海外史料マイクロフィルムのデジタルデータについては、2739本分すべてをアップロードし、このうち1814本(約107万コマ、約7割)について簡易目録による登録(年2回実施)が完了し、Hi-CAT Plusで公開利用に供している。先行研究から継承した国内採訪史料マイクロフィルム9357本(約490万コマ)については、本研究と連携して継続作業を実施し、現在100%が簡易目録での登録を完了し、うち2297本(118万コマ)については一点目録入力が終わっている。このデジタルアーカイヴ構築の面では、オランダ語やラテン系語学に堪能な作業者をとくに確保し、目録付与作業および英文目録作成作業(モンスーン文書)をおこなった。関連する連携研究を実施し、多言語対応という面では、各国語とも原語入力を原則としているため、英語にはない特殊文字も多く存在する。この問題を解決するため、異体字と同じ対応方式を取り、通常アルファベットに置き換える処理が出来るように工夫した。ドイツ語、イタリア語、ラテン語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、スウェーデン語、デンマーク語である。ロシア語(キリル文字)については、英語表記を併記して対応できるかどうか、多言語対応の具体的課題に取り組んでいる。②各プロジェクトの海外調査・史料研究事業は順調に進捗し、ドイツ班は今年度で一区切りとなったが、引き続き収集史料の目録付与・データ登録作業が残されている。ロシア国立海軍文書館の追加目録出版事業は順調に進捗しているが、同歴史文書館の目録作成については、次年度後半の提供となる旨連絡があった。ロシア関係の史料収集は、大型の海図類の複製収集が開始され、次年度中に中核部分は完了する予定である。このほか、サハリンアイヌ交易帳簿やリハチョフ日誌など、翻訳・刊行に向けて具体的な段階に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
デジタルアーカイヴ構築関係では、主にオランダ関係史料が残っており、作業者を確保して簡易目録ベースによる目録データ付与とデジタルアーカイヴへの登録・公開作業を継続する。また現在重点的に実施している一点目録付与作業を継続する。各プロジェクト毎の活動では、オーストリア(写真家ブルガー&モーザー・コレクション)における湿板写真ガラス原板の調査・収集(高精細デジタル撮影)と解析を進め、その成果を史料集として次年度出版する予定である。2019年には、東京とウィーンで日墺修好150年記念事業として展示会が企画されている。ロシア関係では、次年度に海軍文書館史料解説目録2を刊行し、歴史文書館に依頼した目録を受理する予定である。ハワイ調査の成果は、人間文化研究機構で実施する音声資料・写真資料研究と連携し、歴史民俗博物館での企画展示(2019年度計画)にもつなげていく。このほか、本科研も終盤に差し掛かり、各プロジェクトの研究成果がまとまったかたちで出てきつつある。ただし、研究経費の多くをデジタルアーカイヴ構築に割いているため、限られた予算の中で成果の公開手段には工夫が必要となる。引き続き、経費の確保にも努力していきたい。
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Research Products
(105 results)