2014 Fiscal Year Annual Research Report
海洋天然物の誘導するタンパク質-タンパク質相互作用の解明
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26242073
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木越 英夫 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90169839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 将樹 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30335012)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2019-03-31
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Keywords | アプリロニンA / タンパク質間相互作用 / アクチン / チューブリン |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質間相互作用は、生物活性発現において重要な現象である。我々の発見したアプリロニンAは、細胞骨格タンパク質のアクチンと結合した後、さらに別の細胞骨格タンパク質のチューブリンと結合し、紡錘体の形態異常を引き起こすことにより、有糸分裂を阻害する。 アプリロニンAが誘導するアクチンとチューブリンのタンパク質間相互作用の詳細を明らかにするために、表面プラズモン共鳴を用いて解析を行った。まず、アプリロニンAを誘導してセンサーチップに固定したところ、アクチンを注入すると大きなセンサーグラム変化が見られた。しかし、ここにチューブリンを注入しても、チューブリンの結合をSPRにより確認することができなかった。そこで、アクチンを結合させた後、アクチンとチューブリンの混合物を注入すると、センサーチップ上に三元複合体が形成したと考えられる変化が見られた。しかし、この状態が不安定であるためか、速度論解析を行うことはできなかった。 そこで、センサーチップ上にチューブリンを固定し、ここにアプリロニンAとアクチンの複合体を注入したところ、三元複合体の形成と考えられるSPRの変化が確認でした。この条件を用いて、速度論解析を行ったところ、アプリロニンA-アクチン複合体とチューブリンの解離定数は、1.8μMであり、かなりの会合能力を持つことがわかった。 一方、アクチンとチューブリンのタンパク質間相互作用を誘導する人工類縁体を設計し、合成を進めた。現在までに、その重要中間体を合成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三元複合体の解離定数を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、アプリロニンA-アクチン複合体とチューブリンの結合様式を明らかにするために、化学プローブを用いる方法と遺伝学的手法により検討する。
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Research Products
(7 results)