2015 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおけるアメリカ認識の相克--日中韓比較による総合的研究
Project/Area Number |
26243004
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Research Institution | Hokkai School of Commerce |
Principal Investigator |
古矢 旬 北海商科大学, 商学部, 教授 (90091488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 文明 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 教授 (00126046)
大津留 智恵子 関西大学, 法学部, 教授 (20194219)
小檜山 ルイ 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (70186782)
西崎 文子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60237691)
岡山 裕 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (70272408)
吉見 俊哉 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (40201040)
川島 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90301861)
外村 大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40277801)
馬 暁華 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30304075)
林 載桓 青山学院大学, 国際政治経済学部, 准教授 (80615237)
中島 岳志 北海道大学, 大学院公共政策学連携研究部, 准教授 (40447040)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歴史認識 / 日米関係 / 中米関係 / 韓米関係 / アジア・太平洋戦争 / 慰安婦問題 / 戦犯裁判 / 冷戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東アジア地域に重要なステークスをもつ関係各国の相互交渉、それら各国の地域に関わる「歴史認識」の相克、それぞれに関するアメリカ・ファクターの意義という三つの側面から、この地域の国際政治の歴史と現状を解明することを目的として、進められてきた。過去二年間、研究は①研究分担者の個人研究、②歴史-現状分析、アメリカ-アジアの二つの軸によって四つに類別された各班研究、③総合的な全体研究の三層で、並行して進められてきた。 個人研究については、分担者馬暁華が、中国系アメリカ人の第二次世界大戦認識について、英文著書を上梓したことが特筆される。その他の分担者も、ほぼ順調に研究と執筆を進めていることは、業績一覧の示すとおりである。 全体研究としては、国際シンポジウムを開催した。当初2015年3月に予定されていたシンポジウムは、本研究の中心的テーマと関わる日韓両国の慰安婦問題合意(2015年12月)を受けて、同年7月に延期して開催された。 日、韓、米、英から参加者をえて、公開で催されたこのシンポジウムでは、第1の基調報告として分担者外村大が、日韓歴史問題の詳細なレビューを背景に今回の合意の意義と限界とを提示した。第2の基調報告として、ケンブリッジ大学教授バラク・クシュナ-氏による第二次世界大戦後の台湾及び中国における日本人戦犯裁判の歴史的意義を問う貴重な研究成果の発表があった。報告と討論を経て明らかになったように、中国による日本人BC級戦犯を基本的に方向付けたのは、「復讐」ではなく、革命中国に対する国際的承認を促すための国際法遵守の意向であった。 両報告とも、これまでの戦後史で注目されることのまれであった日本の「脱帝国化」過程に新鮮な光を当てた点で意義深い。このシンポジウムの成果は、本研究の今後の進捗に向けて、重要な起点をなすものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個人研究、班研究、全体研究の三層で並行的に推進される本研究において、個人研究は本年度もきわめて活発に行われている。ただし、中間的成果は、分担者が直接個々に公表し、本来ワーキング・ペーパーとしてメンバー間に回覧し、参加者の相互批判を行うべきところが十分ではなかった。 本年度は、当初これまでの研究成果を中間総括するために国際シンポジウムを予定していたが、慰安婦問題をめぐる日韓合意という重大な状況の変化を受けて、シンポジウムの課題に、この合意が、歴史認識問題及び将来の日韓関係に及ぼす影響の考察を付加した。参加者に、急遽この課題を提示したうえで、その検討時間を確保するために、開催時期を半年先へ延ばし、予算の一部を次年度へと繰り越した。 2016年7月東京で開催された国際シンポジウムは、当初予定していた検討課題、日韓関係の新しい展開の検討、いずれについてもきわめて充実した多角的な検討を行った。その成果は、とりまとめられた後、研究分担者の間で回覧された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を通して改めて痛感されることは、本研究の中心課題である、歴史認識問題が、単に過去に生起した事実の確定という次元にとどまらず、想像していた以上に日々展開される現実政治や国家間関係によって姿を変えるという点である。本研究の一つの柱である、東アジアの国際関係の現状分析の重要性がますます高まっているのである。この点をふまえた上で、次年度は、各分担者、特に現状分析班の参加者には、分担課題の中間的な見直しを要請する。 同時に各分担者は、最終的な成果のとりまとめに着手する。さらに本年度は、最終年度を前に、本研究に対する国際的評価を得るために、分担者は、アメリカ、中国、韓国のそれぞれに関連する分野の諸学会における成果報告の機会を得るように努めてゆく。
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Research Products
(89 results)
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[Journal Article] 解説2015
Author(s)
久保文明
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Journal Title
ジョゼフ・S・ナイ【著】村井浩紀【訳】『アメリカの世紀は終わらない』(日本経済新聞社)
Volume: ――
Pages: 199―211
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[Presentation] Plenary panel 22015
Author(s)
YOSHIMI, Shunya
Organizer
Inter-Asia Cultural Studies Conference 2015
Place of Presentation
Airlangga University (Surabaya, Indonesia)
Year and Date
2015-08-07
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Visualizing History and Youth Movements2015
Author(s)
YOSHIMI, Shunya
Organizer
Conference: Japanese and Korean Mediascapes: Youth, Popular Culture, and Nation
Place of Presentation
The University of Oregon (Eugene, U.S.A.)
Year and Date
2015-05-29
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Visualizing Postwar Tokyo2015
Author(s)
YOSHIMI, Shunya
Organizer
Special Lectures Series, Institute for Japanese Studies, Seoul National University
Place of Presentation
Seoul National University(ソウル特別市・韓国)
Year and Date
2015-04-30
Int'l Joint Research / Invited
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