2015 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア文化の基層としての儒教の視覚イメージに関する研究
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26244008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
守屋 正彦 筑波大学, 芸術系, 教授 (90272187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 志朗 筑波大学, 芸術系, 教授 (10181356)
程塚 敏明 筑波大学, 芸術系, 准教授 (40292544)
勝木 言一郎 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 研究員 (50249918)
井川 義次 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50315454)
水野 裕史 熊本大学, 教育学部, 講師 (50617024)
木村 浩 筑波大学, 芸術系, 准教授 (60241808)
山澤 学 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60361292)
秋山 学 筑波大学, 人文社会系, 教授 (80231843)
柴田 良貴 筑波大学, 芸術系, 教授 (90178913)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 東アジア / 孔子像 / 聖廟 / 儒教絵画 / 湯島聖堂 / 朱舜水 / 孔廟・文廟 / 礼拝空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は4ヶ年の研究期間の前半期に位置し、これまでの研究を進展させ、それぞれの研究分担者が調査研究を行った成果を公表して、当該研究の新視点の構築と研究レヴューを、分担者との意見交換会を進めながら、実地調査の成果発表や成果報告書の作成等を行った。アジアに展開する儒教美術の表象の研究を進めるにあたり、どのような形となって現れ、具体的な造形となるかは、東アジアの中で共有的な表現と地域的・差異的表現の二項的な流れが見られたため、本年度は国内的な復元をテーマとした『東アジア文化の基層としての儒教イメージに関する復元研究成果報告論文集』(筑波大学日本美術史研究室・平成28年3月31日)と、東アジア圏での儒教文化の美術史、文化史、思想史的な研究分担領域の研究成果をまとめた『東アジア文化の基層としての儒教イメージに関する研究論文集』(筑波大学日本美術史研究室・平成28年3月31日)の2冊を作成した。 具体的には復元をテーマとしての研究成果では湯島聖堂において「復元研究成果」を湯島聖堂聖殿において展示公開した。特に湯島聖堂大成殿孔子像の彩色復元と英一蝶筆「孔子椅像」を進め、備忘として模写された資料を参考に実際の復元を試み、その成果を実証資料として聖殿内陣に展示し、研究分担者とともに研究発表を行い、質疑応答や公開してレビューを得ることで、造像当初の湯島聖堂孔子像の彩色復元を通しての儒教における礼拝のありかたを確認した。また研究論文集では国立台湾大学の儒教美術研究に携わる陳芳妹教授からの寄稿を得た。すでに中国、韓国での学術交流も果たしてきており、東アジアにおける儒教美術の国際交流拠点として、本研究組織を位置づけ、次年度以降の研究課題における実質的な調査研究体制を構築してきたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該研究は当初の予想以上の進捗状況にある。研究の途中において、日本仏教における儒教思想という新たな研究課題を見出し、前年度に研究分担者の追加も行ったうえで、研究協力体制も海外の研究者との交流も進み、国内での研究調査も実質化して、当該研究・研究体制の拡大化の傾向を示すに至った。また次年度以降に国際会議を実施する構想も具体化し、名実ともにアジアでの研究協力体制が構築でき、研究拠点として機能し始めたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として、我が国の儒教文化に影響した朱舜水をめぐる孔子廟調査を中国大陸南部地域、並びに台湾、沖縄と関連付けて調査を行い、台湾を建国した明朝遺臣である鄭成功・朱舜水が将来した我が国への儒教文化について研究成果をまとめる予定である。また研究分担者の一人井川義次筑波大学教授が儒教思想の西遷について考察していることから、西洋での儒教イメージについて、具体的な美術表象についても今後の検討課題として研究を推進できるよう構想している。特にこれまでの研究遂行上では海外への出張の円滑な調査の実施がこれからの最も重要な課題と考える。これまでの研究結果も踏まえて実施する予定である。
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Research Products
(20 results)