2016 Fiscal Year Annual Research Report
散逸系における空間局在解の階層構造と頑健性の起源の解明
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26247015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西浦 廉政 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (00131277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長山 雅晴 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (20314289)
平岡 裕章 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (10432709)
國府 寛司 京都大学, 理学研究科, 教授 (50202057)
上田 肇一 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (00378960)
中田 聡 広島大学, 理学研究科, 教授 (50217741)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 応用数学 / 自己組織化 / 大域分岐 / トポロジー / ネットワーク / 反応拡散方程式 / 空間局在解 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.2相対流系における定常対流構造の階層性とネットワーク構造: 前年度までにPTP間の衝突過程における偶数モードSP解の階層構造が果たす役割が明確になったことを受けて,今年度はそれら階層構造の解の間のより詳細な構造,とくに不安定定常局在解からPTPへいたる連結軌道について解析を実施し,全体構造を明らかにした.またPTPの分岐論的起源についての最初の結果として空間周期一様進行波解からのうなり分岐を明らかにした. 2.振動テールをもつ2次元粒子解の不均一媒質でのダイナミクス: 今年度は振動テールをもつ2次元粒子解と円盤状不均一性の場合の解析を実施した.とくに円盤状不均一性はその回転対称性から不均一性の強さを大きくすると,Hopf分岐を経て,回転周期解となることが判明した.その大域分岐解析も一部実施した. 3.ネットワークダイナミクスにおける自己修復機能の解明とその頑健性の起源:興奮性ダイナミクスを素子とするネットワークダイナミクスにおいて,その自己修復機能についてはMorris-Lecar系を含むより一般の系に拡張することができた.またそれにより自己修復機能の数理構造がより明確になった. 4.光BZパルス波の刺激応答 :光局在刺激によりBZ反応系のパルス波の応答,とくにパルス消滅について,そのアキレス腱とも言える空間局在場所の同定やその光刺激強度についての関係を数値的に明らかにした.とくに新たな分担者である中田によりその実験的検証も実施することができた.これらの成果は現在論文投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2相対流問題のPTPの分岐論的起源は,Navier-Stokes方程式,熱輸送,物質輸送の連立方程式を解き,かつそれが時間周期依存する進行波であるため,大域的に枝を追跡することは困難な課題であったが,そのひとつの起源として,空間周期一様進行波解からのうなり分岐から生じていることが判明した.これにより不安定ではあるが,一群のセル数が異なるPTPを数値的に発見することができた.これはPTPの解集合の全体構造を理解する上で極めて重要な結果である.また光BZパルス波の刺激応答については,新たな分担者の中田らの協力により実験的検証が格段に進んだ.理論と実験によるシナジー的協働成果が今後さらに期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
2相対流問題の時間周期空間局在解の大域分岐探索をさらに推進する.枝の一つの起源はうなり分岐であることは判明したが,もう一方の枝の終点については,空間一様wave trainであることが予想されるが,まだ明確になっていない.これは数値的にも困難な課題であるが解明するべく研究を進めていく.振動テールをもつ2次元粒子解の不均一媒質でのダイナミクスについては,円盤状不均一性がもたらす新たな解の全体像を元のPDEおよび縮約された有限次元系の解析の両方において明らかにしていく.それを受けて衝突ダイナミクスにも挑戦する.ネットワークダイナミクスにおける自己修復機能の解明とその頑健性の起源については,その自己修復機能についてMorris-Lecar系を含むより一般の系に拡張することができたが,ネットワーク構造についても再検討を進め,その一般化を試みる.光BZパルス波の刺激応答については,さらに実験的検証との二人三脚でより融合的研究を目指したい.
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Research Products
(36 results)
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[Presentation] Pulse Generators2016
Author(s)
Yasumasa Nishiura
Organizer
The Fourth International Conference Nonlinear Waves - Theory and Applications
Place of Presentation
Tsinghua Univerisity, Beijing, China
Year and Date
2016-06-27
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