2016 Fiscal Year Annual Research Report
Gene regulatory network underlying epiblast cell determination and their derivation into various somatic cell lineages
Project/Area Number |
26251024
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
近藤 寿人 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (70127083)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 遺伝子発現調節 / エピブラスト幹細胞 / マウス胚操作 / 体細胞系列 / ノード |
Outline of Annual Research Achievements |
すべての体細胞系列の直接の前駆体であるエピブラストから、個々の体細胞系列がどのような制御のもとで生み出されたり分岐したりするのかという発生生物学の基本問題について研究した。次の成果を得た。 1.エピブラスト幹細胞における主要な5つの転写因子Zic2, Otx2, Sox2, Pou5f1, Pou3f1のゲノム上の結合部位を網羅的に明らかにするChIP-seq解析を行った。これまでSox2-Pou5f1の2転写因子の複合体が初期胚幹細胞に共通して、主要な制御機能を担うと考えられてきたが、それは誤りであった。Sox2-Pou5f1は着床前胚の状態に対応するマウスES細胞のみで転写制御の中心を占めるが、着床直後の胚に対応するエピブラスト幹細胞などではSox2-Pou5f1に代わってZic2-Otx2転写因子ペアが主要な転写制御の役割を担う。この主要な転写因子ペアの交代が、体細胞系列の発生を準備する過程である。 2.ニワトリ胚のエピブラストは、先ずOtx2の有無によって前部と後部に分けられる。蛍光標識したノードを宿主胚に異所移植してライブイメージングで解析した。胚の前半に移植されたノードは、前部中内胚葉を生み出し、その新たに生み出された前部中内胚葉の周りに宿主エピブラストが集合して、新たな頭部構造を作ることがわかった。 3.エピブラスト幹細胞から直接に神経幹細胞株を樹立する際のWntシグナルの強度の影響を調べた。低Wntの条件で樹立すると、Otx2+, Hox-の頭部神経系の幹細胞が得られたのに対して、Wnt無操作の条件ではOtx2-, Hox+の前部脊髄の幹細胞が得られ、その性質は安定に維持された。 4.内胚葉の領域化にはSox2が関与している。内胚葉特異的にSox2をノックアウトすると、食道の内胚葉由来上皮が気管上皮に変化するだけでなく、上皮を取り巻く間充織も気管のものに変化した。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(36 results)