2014 Fiscal Year Annual Research Report
ビクトリア湖島嶼マラリア撲滅:プリマキン使用による集団治療とヒト・原虫多様性
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26257504
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
金子 明 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60169563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十棲 理恵 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30550355)
脇村 孝平 大阪市立大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30230931)
皆川 昇 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00363432)
金子 修 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50325370)
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
平塚 真弘 東北大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (50282140)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 熱帯熱マラリア / G6PD欠損症 / アルテミシニン / 薬剤耐性 / マラリア撲滅 |
Outline of Annual Research Achievements |
G6PD欠損症スクリーニング: G6PD Assay Kit-WST (Dojindo)を流行地で実施する際、肉眼観察による誤診のリスク回避しまた女性ヘテロザイゴートにおける中間値判定の問題を解決するために、上記キットに対して簡易型光電比色計とドライバスを用い反応の開始時と終了時の吸光度を測定し、酵素反応量をWSTの吸光度変化量として表す事で定量的な結果が得られる事を報告した。しかし、光電比色計の能力不足(測定可能吸光度0〜2)のために、高濃度域で測定値に連続性が得られず、正常活性集団の分布が歪む可能性があった。そこで測定可能吸光度-0.200〜3.000の光電比色計を導入して再検討した。その結果、男性における陰性・陽性の分離は同等であったが、活性正常域の分布の対称性が改善された。男性陰性者(hemizygote)の閾値より推定される女性陰性者数は、予想される女性homozygote数より3倍ほど多く、女性heterozygoteの一部が関与していることが考えられた。現在これらの生化学的表現型パターンに対して遺伝子解析が進行している. 熱帯熱マラリア原虫アルテミシニン耐性モニタリング: ケニアのビクトリア湖の島々(Kibuogi, Ngodhe, Takawiri及びMfangano島)及び湖畔の集落(Ungoye)で、マラリアの分子疫学調査を2012-2013年にかけて展開しており、同時期に収集したサンプルをretrospectiveに解析した。この解析では539サンプルのK13-propeller遺伝子の塩基配列を同定することに成功し、4種類の非同義置換と5種類の同義置換を確認することができた。これらの変異は5か所の調査地域で共有されるものは認められなかったが、Mfangano島で認められたA578S変異は同地域で半年の時間的解離を認める複数のサンプルで確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熱帯熱マラリア原虫アルテミシニン耐性についてはEIDに公表した。G6PD欠損症の現地定量的スクリーニング法が確立し、おおむね妥当な男性および女性群における分布を得ることができた。現在遺伝子解析が進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
集団治療実施: 昨年9月にKNH/UON-ERCに提出したMDA実施のための研究計画に対する承認を受けて ビクトリア湖Ngodhe島全住民(700人)を対象にアルテミシニンとプリマキンによる集団治療をおよび薬剤処理蚊帳配布によりマラリア撲滅が達成できるかをみるfeasibility study実施に向かう予定である。 住民組織の確立:Ngodhe島での集団治療実施、およびcommunity-directed surveillance確立に必要な住民組織の確立を目指すための準備、住民側と綿密な話し合いを持つ。さらに同島における人の移動とマラリア移入パターンを把握するための調査を実施する。 疫学調査:集団治療実施に先立つ 地理的に連なる島嶼および内陸湖岸村住民集団においてマラリア感染に関する寄生虫学、血清学、分子疫学的調査を島嶼地域間比較において継続していく。また熱帯熱マラリア培養株確立を調査と並行して進める。Pf生殖母体分布について検討するための濾紙RNA採血を試み分子マーカーによる検討をLSHTMと共同で継続する。これまでに実施した疫学調査から得た濾紙採血サンプルにより血清疫学的検討に着手する。またG6PD欠損症の遺伝子型解析を継続する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Plasmodium vivax gametocyte proteins, Pvs48/45 and Pvs47, induce transmission-reducing antibodies by DNA immunization.2015
Author(s)
Tachibana M, Suwanabun N, Kaneko O, Iriko H, Otsuki H, Sattabongkot J, Kaneko A, Herrera S, Torii M, Tsuboi T.
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Journal Title
Vaccine
Volume: 33(16)
Pages: 1901-8
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Single nucleotide polymorphisms in Plasmodium falciparum V type H+ pyrophosphatase gene (pfvp2) and their associations with pfcrt and pfmdr1 polymorphisms.2014
Author(s)
JovelIT, Ferreira PE, Veiga MI, Malmberg M, Mårtensson A, Kaneko A, Zakeri S, Murillo C, Nosten F, Björkman A, Ursing J.
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Journal Title
Infection, Genetics and Evolution
Volume: 24
Pages: 111-5
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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