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2015 Fiscal Year Annual Research Report

ワイヤレス共鳴送電から発生する電磁波環境の安全性評価

Research Project

Project/Area Number 26281032
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

宮越 順二  京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70121572)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords電磁波影響評価 / 共鳴送電 / ワイヤレスエネルギー伝送 / 発がん性 / 細胞機能
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度は、前年度と同様に、平成25年度に構築したワイヤレス共鳴送電細胞ばく露装置を用いて、培養細胞の非遺伝毒性影響として機能的変化で注目されているストレス応答について影響評価に取り組むこととし、具体的には熱ショックたんぱく質27,70,90を指標としてワイヤレス共鳴送電の細胞への影響評価に取り組んだ。ワイヤレス共鳴送電は、動作共振周波数12.5MHz、入力高周波電力200Wの条件で行っており、細胞培養位置において国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の定める磁界ガイドライン値の約2倍のレベルとなっている。この熱ショックたんぱく質への影響評価で得られた結果は、これまでに行ってきた細胞増殖能、細胞周期分布といった細胞基本動態、コメットアッセイや小核試験、X染色体上のHPRT遺伝子座における突然変異といった遺伝毒性試験の結果と同様に、他の安定した細胞培養環境を有するCO2インキュベータで培養された細胞に対し、ワイヤレス共鳴送電下で培養された細胞において有意な差異は見られなかったというものである。これらの結果は、共振周波数12.5MHzにおいて、ICNIRPのガイドラインを満足するワイヤレス共鳴送電下ではその安全性の観点から、細胞に影響を及ぼさないということを示唆している。平成28年度は、上記12.5MHzのワイヤレス共鳴送電細胞ばく露装置に続き、400kHz帯域の共振周波数を用いたばく露装置の作成に取り組み、またその装置を用いて細胞影響評価に取り組んでいく計画である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題として掲げている10MHz帯共鳴送電で発生する電磁環境による細胞機能への影響検索は前述の通り完了した。次いで、400kHz帯の動作共鳴周波数を用いたワイヤレス共鳴送電細胞ばく露装置は、既に構築した12.5MHz帯のばく露装置と比べ、そのコイルサイズや巻数が大幅に増加するものの、それに対応すべく、平成27年度に大サイズのCO2インキュベータを導入しており、有限要素法により、400kHz帯域で共振し、高効率(伝送効率80%程度)、整合性、ICNIRPガイドライン値を上回る電磁環境レベル、電磁環境の均一性等の条件を満たす設計の検討を進め、試作機製作のための設計を取りまとめる計画である。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度は、有限要素法による解析に基づき得られた設計から、400kHz帯域の共振周波数を有するワイヤレス共鳴送電細胞ばく露装置の試作に取り組んでいく。解析による電磁環境の理論値、そして伝送効率の理論値等と、試作機により得られる実測値との差異の評価を行い、必要により改良をすすめ、ばく露装置の最適化に取り組んでいく。その後、最適化された400kHzばく露装置の細胞培養環境について、その安定性を確立するための基礎実験を進める。
具体的には、ばく露装置内で培養した細胞において、細胞増殖能、細胞周期分布などの細胞基本動態について調べ、また安定性が確認できている他のCO2インキュベータで培養した細胞でも同様に細胞基本動態について調べ両者の比較を行う。安定性を確立した後、発がん評価として、小核試験、コメットアッセイ等を指標とし遺伝毒性への影響評価に取り組み、次いで、培養細胞の非遺伝毒性影響である細胞機能評価として、熱ショックたんぱく質を対象として、遺伝子発現への影響を検索する。これらの評価結果によって、10MHz帯に引き続き、400kHz帯における共鳴送電の安全性について取りまとめる。

Causes of Carryover

平成27年度に使用した細胞実験用消耗品費が、当初の予定価格より安価に購入できた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成28年度に計画している細胞実験で、細胞機能評価に関する消耗品費に充てる予定である。

Research Products

(1 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results)

  • [Journal Article] Expression of Heat Shock Proteins in Human Fibroblast Cells under Magnetic Resonant Coupling Wireless Power Transfer2015

    • Author(s)
      Kohei Mizuno, Naoki Shinohara and Junji Miyakoshi
    • Journal Title

      Energies

      Volume: 8 Pages: 12020~12028

    • DOI

      10.3390/en81012020

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant

URL: 

Published: 2017-01-06  

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