2015 Fiscal Year Annual Research Report
次世代センシング繊維の創成とウェアラブルセンサへの応用
Project/Area Number |
26282013
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
黒子 弘道 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (20221228)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 正人 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (30323752)
才脇 直樹 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (20252637)
佐藤 克成 奈良女子大学, 生活環境科学系, 講師 (00708381)
橋本 朋子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (10589930)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 被服材料 / ウェアラブルセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
・金属めっきを用いた新規導電性繊維の創成:ナイロンに対し、超臨界二酸化炭素を用いたプラチナ金属錯体の触媒担持を行い、その後プラチナの無電解めっきを行ったところ欠陥のないプラチナ被覆が可能であることを明らかにした。 ・金属めっきされた導電性繊維の高次構造解析: 触媒化(Pd)されたナイロンの構造解析を行い、Pdは原子としてナイロンのカルボニル炭素付近に存在することを固体NMRおよび量子化学計算から明らかとなった。 ・KES 計測による評価:導電性繊維のモデルとして、太さの異なる金糸を用いて、導電性繊維の布中の密度、表面への露出度を変化させ、導電性に与える影響を調べた。得られた結果より、導電性繊維である金糸が太くなるほど、またその間隔は狭い程(5mmピッチ)、織布の導電性が向上する結果を得た。織布の着衣時の感性に影響する物性(曲げ特性、圧縮特性、表面特性)を評価した結果より、金糸が太くなる程、圧縮柔らかく、回復性が悪くなる ことが示された。 ・ウェアラブルセンサの実装のための検討: 本研究課題で開発する導電性繊維の適切な応用先を検討するために、衣服の付加機能に対する需要を体系的に分類・評価した。まず、ブレインストーミング法により263の付加機能のアイディアを抽出し、それらをKJ法により40の小項目と10の大項目に分類、マズローの欲求階層説に当てはめることで需要の高低の類推を可能にした。さらに、マズローの欲求階層説に基づく需要類推の妥当性を、大学生男女415名を対象としたアンケート調査により確認した。また、開発している新型センサを搭載でき、またその特徴を生かすことができる新たなプラットフォームとしてファッショナブルIoTを提案し、応用例をいくつか開発して性能評価を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナイロン繊維への金属めっきが当初予定に比べ難航しているが、めっき金属を当初予定の銅から銅と同様に生体適合性の高い(毒性の無い)白金に変更することによって、金属めっきが可能であることが確かめられ、現在、白金めっきされたナイロン繊維を作成中であり、センシング繊維への応用・評価が予定通り遂行可能と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画に従って研究を遂行していく。
|
Causes of Carryover |
平成27年度の消耗品費が予定より少なかったこと及び打ち合わせ旅費の使用が当初計画より少なかったため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、消耗品費および旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(10 results)