2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26282163
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 直亨 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (80273720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福場 良之 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (00165309)
鍛島 秀明 県立広島大学, 人間文化学部, 助教 (40714746)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 顔面皮膚血流 / 地域差 / 情動 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は,健常者が感じている情動と味覚の良否に伴って顔面の皮膚血流が特異的に変化することを発見した(2011, 2013).この知見を応用し,顔面皮膚血流の応答から情動や味覚を客観的に評価する伝達する手段を開発することを目的としている. 本年度は,ビデオ提示に伴う情動変化が,顔面の皮膚血流応答を特異的に変化させるかについて検討した.被験者15名に対して,様々な情動を起こすビデオを視聴させた.その際の顔面皮膚血流を計測した.アンケート結果から,情動変化は起こったものの,それに伴う特異的な顔面皮膚血流の変化は観察されなかった.これは,情動変化が起きた場面を同定することが困難であったことや,情動の変化自体が少なかったことに起因すると考えられた. また,顔面皮膚血流の地域差が起こる要因を,情動とは別の要因から検討しはじめた.最終的には,地域差が血管の収縮・拡張のしやすさに由来するのかを検討するため,本年度は,運動に伴う血圧上昇に伴う顔面皮膚血流の変化を12名の被験者を用いて観察した.心拍数が120,140,160拍/分に相当する運動強度で15分間自転車運動をしている際の顔面皮膚血流は,ほぼ一様に運動強度に応じて増加した.160拍/分強度では,安静時に比較して50%程度の増加が観察された. 部位毎の温度刺激に伴う地域差を平成28年度に検討するための予備実験を開始し,温度刺激直後のデータと温度刺激を与えている周囲のデータを解析することで,地域差を検討できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究実施計画で予定していた実験は完了した.ただし,昨年度に指摘した,主観的な味覚の良し悪しの簡便な評価をするための計算法についての検討はできなかった.これについては,血流計を扱う企業によって新たな解析ソフトが開発中とのことであり,その利用を含めて今後検討する.
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Strategy for Future Research Activity |
皮膚血流の評価を容易にするソフトウェアを導入して,解析を進める.また,温度刺激に伴う血流増減の地域差を観察し,情動に伴う顔面皮膚血流の応答機序を明らかにしていく.
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